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「…どうしてふぶさんがそう言うんです？ 俺がいいって言ってるんです。関係ないでしょう」
俺が言えば、ふぶさんは頭を振った。
「そんな事ない。だって、ナノは俺の副隊長だから。大事な仲間だから。仲間が傷つけられたら、嫌だ」
「…仲間…」
馴染みの無いそれを、俺は口の中で転がす。
ふぶさんは真剣な瞳で俺を見る。その眼から、俺は視線を逸らした。
「何より…、ナノの事傷つけられるのは、嫌だ」
「…っ…」
肩を震わせて、眼に涙を溜めるふぶさんは、そんな表情で俺を見る。
(……なんで)
どうして、そんな顔するんだ。関係ないだろう。そうだ、関係ない筈なのに。
「そんな事…ふぶさんが気にする事じゃ、」
ない。
そう言おうとしたのを遮って、ふぶさんが俺を抱きしめる。
唐突な行動に、俺はきょとんとしてその肩口に顔を埋める事になった。
「…ふぶ、さ…？」
「辛いの、隠さないでよ。……ナノ。……俺…、」
「…ＦＢ！ シィナノルトはいたのか？」
「せ、先生」
パッと俺から離れ、ふぶさんはあろまさんに向き直った。
先程までのぬくもりが離れて、俺はやや落ち着かない様な感覚に襲われる。
足元がふわふわする。胸元が熱い気がする。なんだこれ。
「…おい、ナノ。大丈夫かよ」
「あ、あろまさん…。へいき、です」
あろまさんが俺によってきて、顔を覗かれる。
「…顔赤いけど、大丈夫か」
「へ、へいきです。…ちょっと、あの、疲れただけで…」
「……悪かったな。おれらもちょっと油断してた」
「いえ…、元は、俺が１人で行動したのが悪かったので」
すみません、と軽く頭を下げれば、あろまさんは構うな、と俺の頭を撫でた。
俺はそれに改めて礼を返し、顔を伏せる。
「…おい、ＦＢ。こいつ部屋まで送ってやれ」
「え、あ、はい。先生」
「…なんか鬱陶しいから敬語いらねぇぞ。普通に呼べ。さん、とかもいらねぇ」
「え？ ……あ、えっと、うん。了解、あろま！」
「……おうおう、とっとと行け」
踵を返してひらひらと手を振ったあろまさんに、ふぶさんが手を振り返し、廊下を改めて歩き出した。
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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう（すっとぼけ←） 読んでくださってありがとうございました！ (2015年6月28日 19時) (
レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです！これはﾎﾓｫ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・！ (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2015年2月28日 3時
