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俺とふぶさんは並んで食堂へ向かう。
 どうやらふぶさんがピザを食べたいらしく。
 俺がこの国に来て初めて知ったと言う話をすれば、彼は酷く驚いた表情をしていた。
 受付で注文を済ませ、食器を盆で受け取る。
 席を探してふらふらと2人で歩いている時、ふぶさんが気づいた。
「……?」
 妙な表情をして、さり気なく辺りを見渡す。
 周りにいるのは一般部隊の兵士達だ。
 それらから向けられる目線。
 嫌悪、疑念、憎悪、軽蔑……多種多様な負の視線が向けられていた。
「…ねぇ、ナノ…」
「気にしたら負けですよ、ふぶさん」
 一般部隊の兵士達から随分と距離をとって、俺とふぶさんは席につく。
 俺は料理に手をつけながら、ふぶさんに視線を向けた。
 未だ訝しげな表情で、ふぶさんは周囲を警戒している。
「…どうして…あんな眼向けられてるの、俺達」
 小声で呟くように言ったふぶさんに、俺はパンをかじりながら言う。
「msspだからですよ、ふぶさん」
「…msspだから?」
「正確には、『俺やふぶさんが』msspだから、ですよ」
 そういえば、ますますわけがわからないという顔で俺を見てくる。
 だが、理由を説明した所でどうせ理不尽な理由しかないのだ、意味もないだろう。
「…まぁ、あれこれあるんですよ」
「……そ、っか」
 俺はそう返し、ふぶさんにちらと視線を向けた。
「…ふぶさ、」
「あ、シィナノルト!」
「……きっくん。どうかしましたか」
 盆を持って俺の隣に座ってきたきっくんに、俺は首を傾げた。
「後であろまのところ行ってくれる? ちょっとあろまが呼んでたから」
「…はぁ。了解です」
「FBも一緒に行っておいでよ、医務室の場所まだ教えてなかったよね」
「了解でっす!」
「それにしても遅すぎでしょう…」
 施設案内なんて初めにしておいてくださいよ、と俺が言えば、きっくんはウィンクをしながら「てへ☆」とお茶目っ気全開の顔をした。
 茶目っ気出してもだめなものはだめだ、きっくん…

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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう(すっとぼけ←) 読んでくださってありがとうございました! (2015年6月28日 19時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです!これはホモォ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・! (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年2月28日 3時

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