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俺と新参兵と、小隊 1 ページ14

俺はボーっとしていた。
 先日演習が終わり、結果も出た。結論としては、特に批評なし。
 今回演習が行われたのはFBが来た事もあったが、前回の戦場で出た、msspと一般軍隊との差のせいだった。
 芝に寝そべり、俺は本と空を交互に見ていた。
「あっ!」
 そうしていれば、廊下の方からすでに聞き慣れた男の声が聞こえ、俺の上に影が差す。
「副隊長! こんな所で読書ですか?」
 ひょっこりと顔を現したのは、新参兵のFB777。
 俺は少しだけ不機嫌に視線を向け、その青の眼を見た。
「…なん、です?」
「いや、なんか気持ちよさそうに寝っ転がってたんで! ここいい場所ですね!」
 きれいな空がよく見えますし、と笑みを浮かべながらFBが隣に座った。
「…そう、ですね。ここはわりとす…」
「あ、後ろに隊長だー! たーいちょー!」
 背後の建物の2階。その窓に見えた緑の髪に、ぶんぶんとFBは手を振る。
 えおさんは軽く振り返し、そのまま去っていった。
「…なんで隊長いたんだろ?」
「…さぁ、どうしてでしょうね」
 俺はとぼけた声で返し、本を閉じた。
 読まないんですか、と言われて、俺はとりあえずいいと呟く。
「…あの…」
 改まった表情で、FBが俺を見る。
 首を傾げてFBに視線を向ければ、彼は本当に申し訳無さそうな顔をした。
「…あの…、えっと」
「なんです?」
「……ごめんなさいっ」
 彼は芝に額がつくのではないかと言う程に深々と頭を下げる。
 突然の行為に、俺はきょとんした。
「…何ですか、唐突に…」
「…あの…、俺…、先日の戦場の、最後の時に」
 あぁ、と俺は頷く。
 俺が窓から落ちそうになった時、FBが助けに来てくれた。
 ……助けてくれたというのに、何故そんなにも申し訳無いと言うのだというのか。
「…俺…最後に一瞬躊躇ったんです」
「躊躇った?」
「…一瞬、落ちたら危ない、って思っちゃって。いつも以上に、走れなかったんです」
「……それは、当然じゃないですか?」
「え?」
 FBはきょとんとして、俺を見た。
「誰だって保身に走る事はあるでしょう。…俺だって、FBさんの事気にしていませんでしたし」
「……そんな事、ない……!」
 FBは俺に悲痛そうな表情を向けてくる。
 その意味が理解できなくて、俺は眉根を寄せた。
「何故です?」
「…だって、副隊長優しいです」
「……は?」
 意外すぎたFBの言葉に、俺は眼を見開いて、この新参兵に視線を向けた。

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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう(すっとぼけ←) 読んでくださってありがとうございました! (2015年6月28日 19時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです!これはホモォ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・! (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年2月28日 3時

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