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「この辺りの誘導は…すんでいるんでしょうか…？」
「…いま確認したけど、きっくんが確認してる。大丈夫だよ、ナノ。…手当させてくれる？」
「え、あ、…はい」
ふぶさんが医療用具を手に取り、俺は服をたくし上げる。
テキパキと手当を施しつつふぶさんは俺を責めるような声で呟いた。
「…ナノさ、なんでさっきあんな事したの？」
「え…、あ…。…ただ…、それでいいと思ったので」
「…なんで？」
そう言った声音は、冷えきっていた。
俺はその声に息を呑み込み、言葉を紡ぐ。
「…ただ、ふぶさんが…無事なら。それでいいって…」
「その為に、ナノはどうでもいいの？」
「…俺は、西軍兵なので…、多少は、へいきですから…」
「危ないとは思わなかったの？」
ふぶさんの声は冷えきったままだ。
それもそうか。自分も巻き込まれるかもという距離で、自軍の爆破でやられたくもないだろう。
俺の治療を終えたふぶさんは、自分のやけどの処置に入っていた。
「…すみません。ふぶさんが後退した時を狙ったので、俺、そこまで怪我をさせるなんて思ってなくて…」
「……違う！」
ふぶさんが手を止めて、俺を鋭い目つきで見てくる。
その言葉が理解できない俺は、ただ硬直した。
「え…あ…、すみません…」
「違うよ、ナノは何もわかってない！ 俺が心配してるのは、ナノの事だよ！」
「…俺、の事…？」
ふぶさんの言葉に俺はきょとんとした。
俺のせいで怪我をしたのに、俺の事を心配、なんて
「ナノが追跡から消えて、慌てて追いかけてみればナノが怪我してて。…自分を犠牲にするようなあんな事、二度としないでよ」
ぎゅ、と引き寄せられて、ぬくもりが服越しに伝わる。
そろそろと手をふぶさんの背に回した。青の髪が視界の目の前で揺れ、肩が震えていた。
「…俺、凄く怖かった。だからナノを助けないとって思った。この間みたいな失敗なんて、もうしない。そう誓ってたんだ」
あの時、ふぶさんの手は俺に届かなかった。
それを、人知れず悔やんでいたというのか。
「…ナノ、実はね」
ふぶさんが静かに言葉を紡ぐ。
「俺…ナノと一般部隊との事情とか、俺が呼ばれた理由、知ってたよ」
紡がれた言葉に、俺は目を見開いた。
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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう（すっとぼけ←） 読んでくださってありがとうございました！ (2015年6月28日 19時) (
レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです！これはﾎﾓｫ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・！ (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2015年2月28日 3時
