彗星の瞬きを落とすような ページ20
初めは草食獣かと思った。しかし続いてザブザブと水の中を進む音が聞こえ、それから金属的な音も聞こえた。明らかな人工物の音だ。ＦＢは慌てて操虫棍を掴み、構える。
真っ先に視界に入ったのは、白金の装甲。突起状の装飾に青の彩色が美しい、銀の装甲だった。カチ、と音がして、ヘルムをその手が掴んだ。外されるに従い現れた黒の短髪が揺れ、息を吐き出す。ふと顔を上げて、こちらをその視線が捉えた。
「…えっ、」
「え、えぇっ、ええぇっ！？ マティ─────ッ！？」
思わず大きな声が出た。驚いた草食獣達が蜘蛛の子を散らすようにブワッと逃げ出し、ついでに鳥達も鳴き声を上げながら飛び立っていく。
「…マティ…、マティだったの！？ あの謎ハンター！？ 嘘マジで！？」
「っ…あ、え、えぇと…」
言い逃れはできない。武器は反対の岸辺に置かれているし、何より装甲が先程のそれそのままなのだ。ＦＢ達にとっての謎ハンター…マティは、バツが悪いとばかりに視線を泳がせる。
「…そ、その…。…だ、黙っていて、すみません…」
軽蔑か、はたまた裏切られたと同様に憤られるか。そう思い、掴んだままのヘルムを両手でギュウと握る。
「…その、…すみません…」
ＦＢはザブザブと水の中を進み、マティの両手を掴んだ。吃驚して思わずヘルムを水の中に落とす。
「いやいや！ あのハンターと知らず友達になってたとか、俺ら運強すぎなんですけど！？」
「え、えぇ？」
「俺、前のクエストの時に助けてもらってさ、ホントすげぇなって思ってたから、一回ちゃんと話してみたかったんだよね！ あっ、あの時も今回も本当ありがとね！ 助かった！」
「……怒ってないんですか？ 俺、黙ってましたけど…」
「別に迷惑だった訳でもないし。それにほら、かっこよかったからオッケ―！」
実に嬉しそうににかっと快活に笑うＦＢに、マティは拍子抜けしてしまった。
「っていうかその装備格好いいよね。…俺的に性能は微妙だと思ってるけど…、でも見た目のかっこよさ重要。きっくんとか好きそうだからさ、もうちょい強くなったら一緒に作ろうと思ってる候補の一つなんだよね」
「…そ、そうなんだ…？」
「そうそう。きっくん全然装備とか作んないから！ 大体裸だからね。今回はさすがに着て来させたけど…」
マティが謎のハンターだったという事実を特に気にした様子もなく話し続けるＦＢに、マティは新鮮な気持ちで彼を見ていた。
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長閑(プロフ) - 左腕さん» コメントありがとうございます！個人的にも結構楽しんで書いていたので楽しんでいただけて嬉しいです(´ω｀*)ゆっくりですが今後も他の小説も更新していきますので、どうぞ気長にお付き合いください。読んで下さってありがとうございました！ (2019年3月5日 0時) (
レス) id: 90c3880b48 (このIDを非表示/違反報告)
左腕(プロフ) - コメント失礼します！遅ればせながらMHパロとっても面白かったです！4人のMH実況も長閑さんの小説も大好きなのでこういった形で読むことができてとても嬉しかったです！ありがとうございました！他小説の更新楽しみにしてます！長文失礼しました！ (2019年3月4日 19時) (レス) id: da1c77e1e7 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ララさん» ありがとうございます！ついつい楽しくなってしまって文字数が多い小説ですが、そう言って頂けて嬉しいです！中編なので毎日更新目指して頑張ります(｀･ω･´)読んで下さってありがとうございます。完結まで気長にお付き合いください。 (2019年2月6日 22時) (レス) id: 90c3880b48 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - 遅れてしまいましたが新作ありがとうございます…!!相変わらず描写が綺麗で素敵で…更新楽しみにしております。 (2019年2月6日 15時) (レス) id: 6f54523db1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2019年1月26日 1時
