【ＭＳＳＰ】ハンターのまんばーわん【狩猟パロ】

影蜘蛛と絞蛇竜の輪舞曲 - ４ ページ18

俺はエリア上方に立っていた。
　監査対象である彼らは必死にモンスターと戦っていた。一人少し難ありと捉える事は容易だったが、彼らが共にチームで戦う姿勢を崩さない限り、G3へ引き上げる事は特に問題視されないだろうと推測できた。
　それぞれ得手不得手はあるが、それを補い実行する行動力もあり、何より仲間を守る為にモンスターの正面に立ち塞がることすらやってのける。
『俺にそんな勇気ないもん！！』
　彼は集会酒場の夕食の席の折、ある種宣言の様に言っていた。
　だがどうだろうか。
　彼は彼が言うよりもきっと、勇気に満ちていて。
　問題は。フォローする身になれ。お金が貯まらない。色々な言い分を言うけれど、結局はフォローの為に動けるのなら、彼らはきっちりチームとして活動している意思があり、それでこなす覚悟を決めているのだ。
　彼らは彼らが言うよりもきっと、友情に満ちていて。
　そして今まさに、危機のその目の前に立ちふさがった。
「…監査終了。これより敵対残存モンスターの討伐に移行します」
　通信を一言。上方から飛び降り、崖を滑り、蹴り上げ、跳躍。狙いはガララアジャラの頭上。
　武器を構える。
　振りかぶり、振り下ろした。

　衝撃波が砂塵を舞い上がらせ、地面を沈降させる。頭蓋を砕かれたガララアジャラは、か細い悲鳴の様な鳴き声と共に動かなくなった。先程までの戦闘でダメージを受けていたのだ事も一因だろう。
　頭蓋を砕き、貫き、地面に食い込んだ大剣を引き抜く。付着した赤を振り払いながら、四人を見た。
「す、すげ〜…」
　茫然、といった顔で動かなくなったガララアジャラを見つつ、きっくんはそう零した。えおえおやＦＢ、あろまといった面々が攻撃を食らわせていたが、しかし恐らくそれでも、自分達では一撃で殺す事などできないだろう。だがそれを容易にやってのけた。その事実に隠しきれない動揺が出てしまう。
「…あ、ありがとう、ございます…」
　ＦＢが頭を下げて礼を言う。ガララアジャラを一撃で仕留めたハンターは軽く頭を振り、武器をしまった。
「しかし、これでとりあえずクエストはクリア…って、」
「そういえば俺ら、今回審査もあったんだったね！？」
　忘れてたのかよ！ とあろまがきっくんに言う。それを横で聞いていたえおえおは、実は自分もすっかり忘れてたと内心で零しながら言うのはやめた。同じように批難が、プラスＦＢやあろまのいじりが入る事は目に見えていたからだった。

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