淡く心を彩る ページ39
「そういう事で、正式に恋人になって付き合う事になりました」
俺の言葉にえおえおさんが軽くお茶を噴いた。
「うん、いいけどなんで今言う?」
呆れ顔のきっくんが備え付けのティッシュをえおえおさんに渡す。
ここは会議室。あらかたレイアウトとかが固まったので、えおえおさんを加えた企画に行く前に構成をまとめたいと猫谷が軽率にメンツを集めたのだった。きっくんはため息混じりに額を押さえる。
「きっくんにはちゃんと報告しておかないとと思って。えおえおさんはメンバーだし…」
「いや…うん、よかったけどね。それなりに相談に乗ってた身としては」
「その節は大変どうもご迷惑を」
「…俺…今回は巻き込まれてたまるかと思って一切手出してなかったのに急に巻き込まれた…」
「大変申し訳ない」
「けどそういう踏み込んだ話になるとやっぱ経験者は語るねぇ。ナイスチョイスだわ迪」
「いや、ナイスチョイスっていうか猫谷にとっ捕まったんスけどね」
「結構ワイルドだよなぁ、封真くん」
「猫谷こういう所は思い切り良いんスよね」
まぁそれに今回は助けられたのでどうのこうのと口出しはできないのだが。
「でもまなんか、ホントTHE・FBの後輩だよね。同じ事丸々やってんじゃん」
「……返す言葉もない……」
「うん…俺も今の状況聞いただけだけど、なんかホントTHE・FBの後輩って感じだったんだね」
「えおえおさんまで! …俺ってそんなにか…?」
そんなにだから言ってるんだよ、ときっくんに軽く頭を叩かれる。
かちり、扉が開く音。きっくんが「お」と声を出し、手を振った。
「噂の渦中の一人あろまじゃ〜ん!」
「あ? なんの事だよ」
「いま話聞いてた所」
ニシシ、ときっくんが悪戯っぽく笑う。俺は苦笑まじりにあろまさんに「おはようございます」と声をかけた。
「あぁ、はよ。つかお前もなにバカ正直に喋ってんだよ? コイツに言ったらネタにされるに決まってんだろが」
「いやぁ、なんだかんだいってお世話になったんで…」
俺の言葉にあろまさんはバツが悪いというように頭を掻き、向かいの椅子に座る。
「だからってな…、もうちょい言うヤツは考えろよ、迪」
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長閑(プロフ) - PONKANさん» コメントありがとうございます!今作は特に表現に気を使って書いているつもりなので、そう言って頂けて嬉しいです(*´ω`)読んで下さってありがとうございます。ゆっくりですが今後も更新していきますので、どうぞ気長によろしくお願いしますー! (2019年2月12日 0時) (レス) id: 90c3880b48 (このIDを非表示/違反報告)
PONKAN(プロフ) - 唐突に失礼します…好きです……表現の仕方とかめっちゃ尊いです……正直一生読んでたいくらいです……応援してます……! (2019年2月11日 23時) (レス) id: b094142359 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 魔塩さん» 読んでくださってありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです。今後もゆっくりですが更新していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!コメントありがとうございます! (2019年1月8日 21時) (レス) id: 90c3880b48 (このIDを非表示/違反報告)
魔塩(プロフ) - 更新お疲れ様です!MSSPの軍パロから長閑さんの小説を知り、ファンになりました。今回の作品も面白くて読むのが楽しいです。応援してます! (2019年1月8日 1時) (レス) id: ac83d9c582 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2018年11月16日 2時