初めて、本当に怖いと思った ページ43
「中将殿！！」
「うるせぇ！！」
「すみませｵｧｯﾍﾌﾞｯ！！」
ブレーキがかけきれず、ｽﾞｼｬｰｯと医務室の扉でタイルに蹴躓いて転んだ。顔面から床に突っ込む。中将殿が「うわぁ…」って完全に引いた声出した。ごめんなさい本当ドジは治ってないんです。
「…大丈夫かよ…」
「だ、大丈夫ですありがとうございます…」
中将殿がわざわざ腰を上げ、手を差し出してくれた。優しい。今日本当に優しい。いや多分いつも優しいんだけど俺がクソ野郎なんだね。
俺は中将殿の椅子の前に腰掛け、中将殿も同様に椅子に腰掛けた。
「で、なにしに来たんだよ。えおえおといたんじゃねぇのか」
「ハイ、あの、そうなんですけど」
「んだよ」
「…あの、た、隊長殿に…改めて、好きって、言われたんですけど、」
「…ふぅん？」
「その、…俺にとって、隊長殿は憧れの対象で、俺にとって、あの人の部下である事が、一番大切で、大事なんです。それは、入隊した時も、今も、変わらない。強くて格好良くて頼りになって、…何よりイケメンだと思います」
「最後いらねぇだろ。お前の判断基準おかしいだろ。…つか、待て。そう言うって事はお前、断ったって事か？ えおえおを」
「……ハイ」
「…お前、あんだけえおえお好きだって言ってた癖に」
「そ、それとこれは別なんですよ！ 俺、俺は、…中将殿が、」
俺がパッと顔をあげる。そうして見た中将殿の表情が、一瞬で凍った。
「…ちゅ、中将殿？」
「……勘違いだ、それは」
ガタンと中将殿が立ち上がった。窓の方へ移動して、その表情が見えなくなる。
「お前が何を言おうとしたかは聞かないでおいてやる。だから早くえおえおの所に戻れ」
「え…あ、待、」
「お前は誰だって好きだろ。…昔からそうだ、ドジバカ間抜けだったが、それなりに友人もいて。…せいぜい、えおえおとＦ９１に言われて、その気になっただけだろ」
冷え切った声に、中将殿を初めて本当に怖いと思った。表情が見えないから、余計にその言葉の意味を知れない。
そして、俺の確信の無さが、言葉を喉奥で詰まらせる。
「…違、」
「何が違う？ 何も違わないだろ。お前はいつもそうだ、言われたらすぐその気になる、嘘もすぐ信じる！ 今だって、どうせ言われたからそう思ってるだけだろ！ …とっとと失せろ、一時の気の迷いでふざけた事をほざくな！」
中将殿の鋭い視線に俺は強く唇を結ぶ。強く拳を握る。
俺は立ち上がって、深く息を吸い込んだ。
何だかんだ言ってやっぱり一番よく知ってる→←彼らは、俺のヒーロー
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長閑(プロフ) - 天ノ江さん» ﾜｰｯありがとうございます！前作でも今作でもコメントを頂き、本当にありがたく思っております…！先生達だけでなく主も好きになって頂けてとても嬉しいです。最後まで読んで頂き本当にありがとうございました！ (2017年9月15日 0時) (
レス) id: 90c3880b48 (このIDを非表示/違反報告)
天ノ江(プロフ) - 完結おめでとうございます！もうほんとに最高の作品でした！主くんもあろま先生も隊長もFBもきっくんもＦ91も、皆大好きです！勿論作者様も愛しております((新作お待ちしております！ (2017年9月14日 22時) (レス) id: 49f85c03a8 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - La-sanさん» ﾋｪｴありがとうございます…！戦闘もギャグも楽しんで頂けて本当に嬉しいです。神！？ｗ …髪…ハゲ…きく…ｳｯ頭が…！← 最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました！ (2017年9月14日 1時) (レス) id: 90c3880b48 (このIDを非表示/違反報告)
La-san(プロフ) - 完結おめでとうございます…!!たくさん面白キュンキュンさせてもらいました!!戦闘の描写が凄く細かいし、ギャグも面白いしで…この方神様なのか…!?!?ﾔｯﾍﾞ神の作品目にしちゃってるヤッベってなってました。(真顔)←新作を楽しみに待ってます！ (2017年9月13日 15時) (レス) id: 6f54523db1 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - かなめさん» 初めまして、コメントありがとうございます。今作は話数が多い事や愉快な仲間達がﾜｯｼｮｲして個人的にもとても楽しい作品になり、楽しんで頂けて嬉しいです！最終話まで更新頑張ります。最後までお付き合い頂ければ嬉しいです。 (2017年9月12日 0時) (レス) id: 90c3880b48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2017年6月29日 21時
