【ＭＳＳＰ軍パロ】それでは、また。 敬具【男主】

成長したトコしてないトコ　※Ａ ページ31

ガヤガヤと騒がしい。
　そう思ったのは、医務室で書類まとめに疲れて突っ伏して寝ていたのを、その騒ぎで起こされたからだった。面倒くさいと頭を掻きながら廊下に出れば、寝ぼけていた頭は一気に覚醒した。
「なにがあった？」
「あろまほっと中将！ 遠征部隊が帰還したのですが、最終作戦にて総統に爆破攻撃を受けて重傷者が出た模様です…！」
「クソッ」
　急いで白衣の袖をまくり、運び込まれてくる面々の手当を行う。
「あろま！」
「あろまさん起きた！ いま起こしに行こうと思ってた所！」
　えおえおとＦＢがこちらへバタバタと駆けてくる。二人の練習着は赤く染まっていて、思わずぎょっとした。
「俺らも搬送手伝ってたからさ。重軽傷者は遠征のα組とβ組の10人。その他はついさっき全員到着したって」
「分かった」
「とりあえずケガが酷い人は先に緊急で運び込まれたから、もう治療室に入ってる」
　隊員の治療を進める中で、俺は言われた数が足らない事に気づいた。
「ＦＢ、先に搬送されたのは何人だ？」
「えっ？ あってるかわかんないけど、２人？」
「…ここには７人だけだ。あと１人はどこだ？」
「えっ…まさか、倒壊に巻き込まれて…！？」
「可能性としては…」
　ある。そう言おうとした時だった。俺が手当をしていた男が、「あ」と口を開いた。
「それなら、あっちに」
「は？」
　そう指された先に、知ったのと知らない腕章をつけた男がいて。
「…アイツが？ マジで？」
「自分の相方で、今作戦の隊長ですよ」
「……マジかよ……」
「えっ、あろまさんいました？」
「…いた。つーか、何でアイツ…？」
「えっ。…えっ？」
　俺がでかでかとため息を吐く。ＦＢもその姿に気付いた。えおえおが後ろからやってきて、「あ」と固まった。
　カラフルな俺らを見つけたのか、向こうから「あっ！」とバカでかく元気な声が聞こえる。
「お久しぶりです！ ただいま戻りました――！！」
　我ら部隊が誇るおっちょこちょいは、ＭＳＳＰの腕章をつけ、α組隊長の腕章をつけて、そこで笑いながらぴょんぴょこ跳ねていたのだった。
「……マジかよ……」
「大出世…」
「能ある鷹は、爪を隠す…」
「隠しすぎだろ」
　俺らがそう言葉を零す中、こちらへ来ようとした男…フィルヴァは、近場の布を踏んで尻もちをついて、「ｲﾀｧｲ！」とか遠くから聞こえた。周囲の隊員もケラケラ笑ってるから、慣れてるんだろうな。
「……ドジは治ってねぇのかよ…」

何年経っても容赦されない→←帰るコールは忘れずに

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