【ＭＳＳＰ軍パロ】それでは、また。 敬具【男主】

冗談と本気の境目：あやふや ページ4

「…フェロー、俺、急がないって言ったけどさ。やっぱ、ダメだわ」
「ｴ、ｴｪ…」
　待て。待て待て待て。これ、これはまさかの
　ＫＡ☆ＢＥ☆ＤＯ☆Ｎ
「ﾎｱｯ…ﾎｧｱ…ｯ」
「ハハハ、両手で顔押さえんなｗｗｗ ちょっと壁ドンしたってだけで」
「いまは西国流が流行ってんでっせ…」
「そーだった。俺もやっとくべきか、やっぱ。…ほら、こーやってさ」
「ｸﾞｳ…ｯ！！ 視界の暴力…！」
「それ悪い意味じゃねぇの？ｗｗｗ」
　ケラケラ笑いながら左肩を壁に預けたＦ９１。やめてしんどい。隊長の方が背高いし、見下される感じだから前髪もサラッと眼にかかるし太陽背にしてるから陰かかってあぁもう言い切れない！！
「もう…もう勘弁してください…」
「瀕死ｗｗｗ 答えだけはくんねーと困るわｗｗｗ」
「…ぁ、…俺…」
　Ｆ９１は待ってくれている。真剣だけど、それでいて少し緩い、Ｆ９１のいつもと変わらない表情で、そこにいる。……西国流の壁ドンのままだけど
「…俺…、…俺は」
「…フィルヴァは？」
　なんで！ そこで！ 愛称じゃなくて名前で呼ぶ！
(後さり気なく耳に髪かける動作やめて格好いい)
　いやいや言ってる場合じゃない。本当に。いやでもホント勘弁してこんな場面まで！
　…でも、多分、俺がそう思うのは、…違うんだ。
「…あの、……ご、めんな、さい…」
　尻すぼみに、視線を逸らした。
　Ｆ９１のことはすきだ。でもきっとそれは、Ｆ９１が望んでいるものじゃない。
　そんな俺の困惑を感じていたのか、Ｆ９１が軽快に笑った。
「いーって。そんな気はしてた」
「…Ｆ９１…」
「……俺とえおえおじゃ、こんなに違うもんな。…同じ、“えおえお”なのに」
「同じですよ」
　俺が強く言うと、Ｆ９１は少し吃驚した顔をして、キョトンとした。
「優しいです。Ｆ９１も、隊長殿と同じくらい、優しくて、強い人です。…Ｆ９１にも、憧れてるんですからね」
「……そっか。さんきゅ」
　にひひ、と笑ったＦ９１が、ゆっくりと眼を閉じた。隊長殿とＦ９１が入れ替わったのと、同じ様に。
「じゃあな」
「…えふきゅ、」
　俺は、思わずギュッと唇を結んだ。
「……そんな風に、いなくならなくてもいいじゃないか」
　頑張って吐き出した言葉はそれで。
　眼の前の彼がゆっくり眼を開き、笑った。

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