（……一目惚れ、なんて、） ｓｉｄｅ あろま ページ30
あいつ、やっぱり言ってねぇのか。
それとも、気づいてねぇままでこいつといるのか。
こいつと話すあいつの表情は、いつもより柔和に見えた。
「……は」
敵に塩を送るにも程があるな。
これで、もしこいつが気づいたとして、それでどうなる？
こいつも気づいて、えおえおも気づいて、それでどうする？
伝え合って？ 関係が進んで？ それで？
「……あの、あろまさん…？」
控えめに、少し怯えたような目つきで俺を見る。
別に、こいつが嫌いなわけじゃない。
「うるせぇ普通に呼べ」
「い……痛いです。…すみません幡野先生」
ただ、気に食わないから。
普通に進めさせるなんて、面白くない。
あいつに気づいてないとか言ったが、おれもおれで相当だ。
(……一目惚れ、なんて、本当勘弁してほしい)
「…幡野先生…、どうかしましたか？」
「ん…、別に。……あいつと、どんな感じなの」
「…どんな感じ、って…どういうことですか？」
きょとんとした顔で首を傾げ、俺を見上げる菊月。
「打ち解けてんの？ 結構。お前っておれのことをびびって見るから、気になって」
「び、びびってませんよ。…ただ、他の人と話すのがなれないだけで」
「大人の、他の人だろ？」
「……そう、ですね」
控えめに頷いた菊月を見ながら、おれは言葉を紡ぐ。
「知ってるぜ。…だけど、お前の雰囲気がえおえおん時だけ違うから、聞いただけ」
「…そう、ですか？ ……わかりません」
「違う。絶対に」
表情の向け方も、向ける感情も。
だから、気に食わない。
「……菊月、」
〜〜♪〜〜〜♪
着信音。この音楽、ＦＢのぴるぴるちゅーん…
「……あ……え、えふ、狛田さんだ！」
「やっぱりか…」
「すみません、出てもいいですか？」
「あぁ、いいよ」
菊月の前からどいて、おれは盛大に溜息を吐く。
椅子にどっかりと座り込んだまま、携帯でＦＢと話す菊月に眼を向けた。
「…ですか？ ……えと…」
『でね、……だから…』
「あ、あぁ、はい、分かりました…お昼頃でもいいなら…」
『ありがとう！ じゃあ……ってことで、ておいて…ね？ ……う』
「はい。わかりました。ありがとうございます」
ようやく携帯を切った菊月に、俺は声をかける。
「あいつ、なんて？」
「明日の休みにお昼一緒に食べようって誘われたんです。幡野先生も一緒にって言ってました」
「…ふぅん。了解」
軽く返事を返して、俺は机に戻った。
（……こいつは、どう思ってんだ？） ｓｉｄｅ あろま→←「お前はさ、あいつの事どう思ってんの？」
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長閑(プロフ) - 可愛く出来るのが男主だけという不器用さです← しばらくもだもだしちゃいますがよろしくお願いします！ ありがとうございます！ (2014年12月27日 14時) (
レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
理緒 - 夢主君が可愛い過ぎて、読むたびに悶えてしまう笑ｷｭﾝｷｭﾝしますね^∀^* (2014年12月27日 8時) (レス) id: 41b8e562fd (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ありがとうございます！こんな趣味丸出しの小説なんかでいいのかとどきどきしてますが頑張らせてもらいます！ (2014年12月27日 1時) (レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
鈴鹿 - この小説面白いです！更新頑張ってください！ (2014年12月27日 1時) (レス) id: 9ef6538fc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2014年12月24日 21時
