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トゥ・ビカム・フレンドリィ ページ43

この戦場に出る前から、アルさんの雰囲気が変わった。
 そう思ったのは俺だけじゃなくて、あろまやえおえおもそうだったみたいだ。
 えおえおは前回の事があって結構引け目があるって言ってたけど、それでも雰囲気が変わったのは確かだ。
 前まで、なんかはっきりとは言い難いけど、友好的な態度を見せながらそれでいて近寄らせる気がない雰囲気をしてた。なのに、今はそんな雰囲気がなくて、むしろなじみきってる感じがした。
「FBくん、跳ぶから掴まってて」
 アルさんが走っていた勢いのまま屈伸、そして地面を弾いた。
「…ッ!」
 機械だからこその跳躍の高さ。持ちだされていた兵器と敵の頭上を易易と通りぬけ、一気に敵陣の中央へ着地する。
 担がれていた俺はするりと落とされて、アルさんが銃の引き金を引く。向かい来る敵兵のナイフを避け、掴み、勢いを利用して投げ飛ばし、仕留める。
 一連の極められた動きは、遅滞なく行われる予定調和の様で。
「あろまちゃん、はよおいでー」
「あんたみてぇに行けたら人間じゃねー、って、ホアアアア!」
「ちょww あろまちゃん何今の声ww」
 敵の群衆に穴を開けたアルさんがあろまを手招きし、その穴が埋まりきらない間にあろまもこちらへやってきた。が、その途中に這いずってきたソールマトンに足を掴まれて奇声を上げる。
 なんとかやって来たあろまは、ため息混じりにこちらを見た。
「えおえおとF91、引き離されてんぞ」
「あの子らはどうやったって来るでしょう。貯蔵庫すぐそこだよ」
「それにしても、敵集中し過ぎじゃない? めっちゃ多い」
「まぁ、この辺りは守ってるでしょーなー」
 アルさんはけろりとした顔で俺らにそう返し、貯蔵庫の扉を「ご開帳〜」なんてふざけながら開いた。
「はーん。結構いいのあるねぇ」
 にやりと笑ったアルさんの後に続いて俺とあろまも入った。
 貯蔵庫というだけあってかなりの量がある。壁と天井、部屋を覆い尽くす程の量の部品に、俺はどれをどうしていいのやらわからず頭が痛くなる。
「俺、大丈夫かな…?」
「ハハ、まぁ俺が分かるからいいよ」
 アルさんが手近にあった部品を幾つか持ってくる。ボディの部品と、アーム、レッグ強化用の部品。
「じゃ、はじめよっか」
 部屋の壁際に置かれたやや大きめの機械を起動させ、アルさんは笑った。

アイ・ダウト・イット ※E→←ノット・セイ



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長閑(プロフ) - 悠莉@菜種油さん» ありがとうございます!楽しんで書いた小説を同じように楽しんで読んでもらえて嬉しいです(*´∀`)やや更新が遅れがちになっていますが、少しずつ更新させて頂きますので、よろしくお願いします〜 (2016年12月8日 22時) (レス) id: 323e0f8fe4 (このIDを非表示/違反報告)
悠莉@菜種油(プロフ) - 久しぶり(?)の新作に大興奮です!!過去作全てがドストライクで今回もドストライクっっ。最高です!!これからもよろしくお願いします(`・ω・´)ゞビシッ!! (2016年12月4日 9時) (レス) id: c4ac4be369 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ささはらさん» ありがとうございます!設定からもう趣味丸出しなので少しドキドキしながらの更新でしたが、楽しんでもらえて嬉しいです(*‘ω‘ *)更新頑張ります。気長にお付き合いください〜 (2016年11月14日 23時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
ささはら(プロフ) - 更新お疲れ様です!設定と主君のキャラがドストライクでにやにやしながら読ませて頂いております。次の更新も頑張って下さい(*´-`) (2016年11月14日 20時) (レス) id: ca191c4974 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2016年11月9日 22時

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