トゥ・ビィ・コールド ページ36
幼なじみという言葉があう俺達は、昔から一緒にいた。
お互いに国で重要視されるちからを持っていた。だが、俺達に望まれていたのはそれ以上に強いちからだった。
よく知られている『星読』より強いちからは『神眼』と呼ばれ、唯一発現の可能性があると言われたのは、上層部の貴族と、“ある種の遺伝子疾患”を持つ家系。
そしてその２つの家の子ども達は有望とされ、「凰麟(ｵｳﾘﾝ)」と称されていた。
左側頭葉で電子音が響く。
眠い眼をこすりながら起き上がれば、Ｐ*suKEがくれた妨害装置が外れてしまっていた。
のろのろと付け直せばようやく電子音が止まる。
「ん〜」
ベッドの中で寝返りをうつと、ベッド横から顔を覗かせていたマークの前足がたしたしと縁を叩く。
「んだ〜寝かせといて〜」
そして狙ったようにインカムの通話音が鳴り響き、俺はゆっくりとインカムに手をのばす。
「はい…こちら…スーパー眠いマンＥＸ…」
『ばか言ってねぇで起きろやスクラップにすんぞ』
「…あり、あろまちゃん」
『その呼び方すんなや！ …きっくんが呼んでる、とっとと来い』
ほい、と小さく返事を返しインカムを切る。大きく伸びをして「あ」と声をこぼした。
「やっちゃった」
いつもの調子のまま大きく伸びをしたせいで、応急処置をしてもらった脇腹の損傷部が開いてしまった。あらー、とテキパキ処置を施して、服を着替える。マークを連れて部屋を出た。
「あ、Ｆ９１」
「…あんた」
「どうも、俺です」
へらと笑みを返せばじっと凝視するように見られる。俺なんかしましたか。
「…どうかした？」
「あんた、気が向かなそうだったから聞きに来てみた。…凰麟、って何」
「あー、その話ね。…歩きながらしてもよろし？」
Ｆ９１が頷き返してくれて、俺とＦ９１が並んで、マークは少し後ろから付いて来る。
「凰麟って言うのは…この東国で昔から崇められてる“麒麟”と、それと並ぶ“鳳凰(ﾎｳｵｳ)”。それらのことね」
「それは、称号か？」
「んー、鳳凰についてはそうだね。麒麟を顕現すると言われていた家系で、それに通ずるものに与える称号が鳳凰だよ」
「麒麟は？」
Ｆ９１の質問攻めに俺は苦笑して、軽く伸びをした。また壊しては面倒だから、今度はちょっと気をつけた。
「東国に昔から伝われる伝説。白金の四足獣。詳しく知りたいならきっくんが本持ってるよ」
ディスタント・「パースト」→←“トゥ・ウォーリー”・アンド・“スルー・メイク・インテンションズ”
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長閑(プロフ) - 悠莉@菜種油さん» ありがとうございます！楽しんで書いた小説を同じように楽しんで読んでもらえて嬉しいです(*´∀｀)やや更新が遅れがちになっていますが、少しずつ更新させて頂きますので、よろしくお願いします〜 (2016年12月8日 22時) (
レス) id: 323e0f8fe4 (このIDを非表示/違反報告)
悠莉@菜種油(プロフ) - 久しぶり(?)の新作に大興奮です！！過去作全てがドストライクで今回もドストライクっっ。最高です！！これからもよろしくお願いします(`・ω・´)ゞビシッ!! (2016年12月4日 9時) (レス) id: c4ac4be369 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ささはらさん» ありがとうございます！設定からもう趣味丸出しなので少しドキドキしながらの更新でしたが、楽しんでもらえて嬉しいです(*‘ω‘ *)更新頑張ります。気長にお付き合いください〜 (2016年11月14日 23時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
ささはら(プロフ) - 更新お疲れ様です！設定と主君のキャラがドストライクでにやにやしながら読ませて頂いております。次の更新も頑張って下さい(*´-`) (2016年11月14日 20時) (レス) id: ca191c4974 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2016年11月9日 22時
