【ＭＳＳＰ】隣人はＨＳ実況者兼、恋人。２【男主】

「お付き合いさせていただいてます」　ｓｉｄｅ　Ｅ ページ40

俺は今、扉の前に立っている。正直一昨日にあろまの家の前に立った時より、緊張している。
「…はー…」
「大丈夫ですか？」
「うん、へいき。よし…押すよ…」
　緊張しきっている俺を不安げに見上げる逢。逢も今日は改まって、制服でこの場所にいる。
　電子音がなり、足音が聞こえる。俺は着ているスーツのネクタイを直しながら、ギュッと表情を引き締めた。
「藤田さん、逢。いらっしゃい」
　やんわりと笑った咲雨さんが、そこにいた。

　さて。居間に通され、俺と逢、咲雨さんと遭慈さんが並び、机を挟んで座る。机の真ん中にはお茶請けが置かれていて、せんべいや饅頭が入っている。
「それで、今日は…？」
　遭慈さんがきょとんとこちらを見ている。一応こっちに来る前に逢が連絡を入れてくれているが、用件はあって伝えると言った為に、いてくれと伝えた理由は伝えていない。
「…今日は、大切な話をさせていただきたくて」
　逢には、今日の申し出は同居の事のみと伝えている。だが、どうして同居をするのか、ということに、同じ会社で、もとより知り合いだからという理由を説明するよりももっと言わなければならない理由がある。
「…逢さんの就職先が、私と同じ会社でして。お互い勤め先が同じで、遠くなる関係ということから、引っ越しをする話になりました。それにあたり、同居をさせていただけないかと思い、本日お伺いしました」
「成程」
「把握」
　俺の言葉に、２人の表情が真剣な表情になった。２人の視線が鋭くなり、ゲンドウポーズを２人共がする。ヤバい、昔グレてたと噂のお２人の睨みつけ超怖い。隣の逢が不安そうに俺と２人を交互に見やっている。
「藤田さん、私ひとつ聞きたいんですけど…」
　声が鋭くなる。さっき迎えてくれた時よりも声が３割程低い。遭慈さんもかなり怖い。上目と思わせて下方からメンチ切られてる。
「勤め先が一緒、把握。遠くなる、把握。引っ越し、成程。…同居？ ってなるんですけど、そこのと所どうです？」
「…そうですね、順番が後になってすみません。私と逢さんは、２年程前からお付き合いさせていただいてます」

「…必ず」　ｓｉｄｅ　Ｅ→←作者より

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