（…あぁ、本当に好きだった） ｓｉｄｅ Ａ ページ34
スマホから聞き馴染みのある音楽が流れて、俺は携帯を手に取った。
携帯はグループラインの着信を知らせていたが、到底出る気にもなれず、俺は先程まで逢がくるまっていた毛布にボスンと落ちる。す、と鼻を利かせれば、逢の匂いがした。
(結局、こうなるんだよな)
応援する。そう決めて早１年と半年くらいか？ もう２年になるか。それまではこうした事もなかったと言うのに、こんな進路選択の重要な時期にこんな事になるとは、というかするとは、物好きなヤツだと鼻で笑った。
(まぁ、わかってた事だ、あいつの答えなんて)
一緒にいる表情が、嬉しいとか、好きだとか、そういう事を一杯に表現していたから。だからえおえおも、言葉にしてとあまり言わなかったんだと思う。
あぁもう、やってらんねぇなぁ俺。
これで良かった筈と思いながら、やっぱり送り出すんじゃなくて、ここに、俺の腕に閉じ込めておけばよかったとか、ろくでもない事を考え出す。そうすれば、逢は確かにここにいて、俺の思いも実ったんじゃ、なんて希望のない事を半笑いで思った。
ろくでもないとか、希望のないとか思う時点で俺はあいつに負けてる。
と言うか、逢の浮かべる表情の違いで、もう俺は負けてる。
「あーあ」
多分、とりあえず落ち着くのは、えおえおと逢の仲直りがすんでからだろう。
そんな事を考えているうちに、携帯から鳴っていた音はとうに止んでいた。
どうしたものか、俺の思いはずっと蓋をしてたのにこれだ。
(…あぁ、本当に好きだった)
好きだ好きだとは思ってたが、ここまでとはなぁ。
さっきの逢じゃないが、なんか泣きそ。やべぇ、三十路にもなってマジで泣きそう。
(さっさと幸せになってくれ)
そう思いながら瞼を閉じたら、また携帯の着信が鳴り出す。仕方なく、今度は通話ボタンをタップした。
「なんだクズ共」
『ひどっ！ …２人どうなのよ』
『ほんとにさ！ 報告なくて気になっちゃった』
おそらくえおえおが手当たり次第聞いたんだろうな。そう思いながら、俺は深々とため息を吐く。
「…曇り後快晴、しばしば雨が降るでしょう…ってとこ」
どゆこと、と首を傾げた様な２人の言葉を聞きながら、俺は床に落ちる水滴を見つめていた。
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長閑(プロフ) - Chaosさん» そ、それはおシモネタの話のことでしょうか…？もしもおシモネタのお話でしたら、検討した後にこちらか、申し訳ないのですが個人サイトでの更新となります。その場合にはやや手間となりますがどうかご了承下さい。最後になりましたが、ありがとうございました！ (2018年1月16日 2時) (
レス) id: 90c3880b48 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 完結おめでとうございます…！！あの個人的に最後までやっちゃうやつがほしいのですが気が向いたらお願いしたいです…！！ (2018年1月12日 17時) (レス) id: ca4f336d1c (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ぶどうジュースさん» ありがとうございます〜！読んでくれた皆様のおかげで、無事完結しました。後は短編での登場がメインですが、また楽しんでもらえるよう頑張ります(*･ω･)最後までお付き合い下さりありがとうございました！ (2016年12月14日 14時) (レス) id: 92e94bc51d (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れ様です！ずっと見続けていたシリーズだったので、にやにやしつつ寂しい気持ちです…。短編でまた、可愛い男主くんとeoheohさんのお話が読めることを楽しみにしています！ (2016年12月14日 2時) (レス) id: d5cf48f873 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - みことの神隠しさん» ありがとうございます！最近更新が遅くなりがちですみません(´・ω・｀)更新頑張ります、読んでくださってありがとうございました！ (2016年10月3日 2時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2016年7月7日 0時
