「俺を選べよ」 ページ32
「あ…、あろまさん」
「…わり、なんか俺もヒートアップしたわ」
あろまさんは至極バツが悪いという顔で頭を掻き、深々と溜息を吐いて俺の目の前に座る。二人とも結構声が大きかったから、話の内容は大体聞こえていた。
「…あ、あろまさん」
「なによ」
「…何でも、ないです」
「そうかよ」
やはりあろまさんは溜息を吐いて、立ち上がるとキッチンから麦茶をとってきた。座って一気に飲み干すと、机の上にコップを置いた。
「なぁ、逢、」
あろまさんの問いに頷くと、急に距離を縮められた。何事？ え、あろまさん？
「あ、あろまさん…？」
戸惑いがちに俺が恐る恐る名前を呼ぶが、返事は無い。しかし、視界が急に動いて、天井を背景にしたあろまさんが眼の前にいる。背中には毛布を挟んで床の感覚がある。え？ もしかしなくても押し倒された？ なんかあろまさんめちゃめちゃ真剣な顔してるし、俺どうしたら良いの。
ずいっと顔が俺の顔によってくる。ちょっと待って近い近い近い。
「…なぁ、えおえおやめて俺にしとけよ」
「え、…え？」
「今頼られてんのも俺で、学校関係だって俺の方を頼ってくれた。今回のことも、底抜けに優しいＦＢでも、まとめる所はキッチリまとめてくれるきっくんじゃなくて、俺を選んでくれた。俺としては、お前に頼られて嬉しい。…なぁ、今からでも遅くねぇんだぜ？ 肇じゃなくて、俺を選べよ」
眼鏡の奥で、鋭い光を宿した眼差しが俺を貫く様に向けられる。前に、あろまさんが俺に“好きだ”と言ってきた時よりも、ずっとずっと真剣な表情。それに、思わずのまれそうになる。
あろまさんは、優しい。俺は１年の入学式から迷惑をかけてばっかりだ。最初は怖い人、なんて思ったけど、とても優しくて。食事のことや、肇さんとのこと。きっとあろまさんがいなかったら進めなかった。
でも、俺はやっぱり肇さんが好きで。あろまさんの事も好きだ。でもどうしても、ＦＢさんやきっくんに向ける感情に近くて。
真剣な眼差しの奥に、どこか辛さも見えて。
ああ、俺がちゃんとしてないからだ。
言わなきゃだめだ。俺の気持ち。いや、決意を。だって２人とも大切な人だ。でも、だからこそ、ちゃんと言わなきゃ。中途半端に傷つけるのは、絶対にだめなんだ。
「あの人と一緒にいたい」→←「言われなくてもわかってる」 ｓｉｄｅ Ｅ
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長閑(プロフ) - Chaosさん» そ、それはおシモネタの話のことでしょうか…？もしもおシモネタのお話でしたら、検討した後にこちらか、申し訳ないのですが個人サイトでの更新となります。その場合にはやや手間となりますがどうかご了承下さい。最後になりましたが、ありがとうございました！ (2018年1月16日 2時) (
レス) id: 90c3880b48 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 完結おめでとうございます…！！あの個人的に最後までやっちゃうやつがほしいのですが気が向いたらお願いしたいです…！！ (2018年1月12日 17時) (レス) id: ca4f336d1c (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ぶどうジュースさん» ありがとうございます〜！読んでくれた皆様のおかげで、無事完結しました。後は短編での登場がメインですが、また楽しんでもらえるよう頑張ります(*･ω･)最後までお付き合い下さりありがとうございました！ (2016年12月14日 14時) (レス) id: 92e94bc51d (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうジュース(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れ様です！ずっと見続けていたシリーズだったので、にやにやしつつ寂しい気持ちです…。短編でまた、可愛い男主くんとeoheohさんのお話が読めることを楽しみにしています！ (2016年12月14日 2時) (レス) id: d5cf48f873 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - みことの神隠しさん» ありがとうございます！最近更新が遅くなりがちですみません(´・ω・｀)更新頑張ります、読んでくださってありがとうございました！ (2016年10月3日 2時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2016年7月7日 0時
