この、仲間たちは ページ48
「……言いたいことは分かった。ナノの気持ちも、分かった」
きっくんはそう呟いて、深々と溜息を吐いた。
「…本当は、そんな無茶してほしくないけど…、ナノなら、出来るんだよね」
「……はい。俺なら、出来ます」
「分かった。ただし、後方からふぶに援護させる。ふぶなら、敵に警戒される距離へ入らなくてもスナイプ出来るからね」
「ありがとうございます」
「ふぶも、いいよね？」
きっくんがふぶさんを見て言葉を重ねると、ふぶさんはやや肩を竦めつつ、頷いた。
「うん。ナノだけに無理させるわけにはいかない。サポート出来るところは全力でサポートするよ」
「ありがとうございます、ふぶさん」
俺が軽く頭を下げると、沈黙していたＦが口を開く。
「…ナノ、お前は…」
「……俺は、もう見てるだけは嫌だ。どう言われても、俺が出来ることなら、最善を尽くすよ」
拳を握り、俺はそう答えた。
そうか、と小さく呟き、Ｆはそれ以上何も言わなかった。
俺は踵を返して、部屋を退室した。
「…ナノ」
「あ…、えおさん」
廊下をふらふらと歩いていたら、調子が戻ってきたらしいえおさんがいた。
作戦が変更になったんだね、と言いながら、えおさんは俺を見る。
「はい。俺だけで、先行します」
「…あろまは、何か言わなかったの？」
「……言いませんでした。でも……言わなかったことが、俺は不思議に思えました」
「…どうして？」
俺の言葉に、えおさんは首を傾げた。
座ろうと促され、近くの備え付けベンチに並んで座る。
「俺は、『あなたにとって大切な人は』、と聞いた時、『Ｐ*suKEだ』と言われると思ってました」
だけど、そうは答えず、絶句された。
「…だから、よくわからないんです。身内の方が、大切じゃないんですか？」
俺がそうえおさんに問うと、えおさんは苦笑交じりに、俺の頭を撫でた。
「…家族も、もちろん大切だけど。いま一緒に戦ってる、ｍｓｓｐのことを…あろまも、俺も、みんな家族みたいに思ってるんだよ。……だから簡単に、切り捨てられたりなんて、しない」
えおさんの言葉に、俺は首を傾げた。
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長閑(プロフ) - ありがとうございます！優しい皆様を支えに頑張りますね！本当にありがとうございます！ (2014年12月29日 14時) (
レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 凄く、好きです！面白いです！ 情景が浮かんでくるような文章で、読んでいてドキドキします！！ (2014年12月29日 14時) (レス) id: f6373ac006 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ありがとうございます！年末近いですが全力で頑張ります！ (2014年12月27日 23時) (レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
春夏秋冬あさよ(プロフ) - 凄く面白いです!夢中で一話から読んでしまいました!更新楽しみにしています!! (2014年12月27日 22時) (レス) id: 2eb841fda8 (このIDを非表示/違反報告)
野狐(プロフ) - 今後どうなって行くかが楽しみです！次の更新まで気長にまってまーす！ (2014年12月27日 11時) (レス) id: cd814794a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2014年12月21日 14時
