名前で呼んで ページ25
「……は、え?」
この人達、なんて言った?
っていうか、なんでそんなに名前で呼んでほしい訳。よくわからない。
「……えっと」
「ほら、俺はふぶでしょ」
「…ふ……え?」
「ふ、ぶ」
「ふ……ふぶ……?」
「そそ」
にっこりと笑って嬉しそうな狙撃手さんだが、なにが楽しい。
「俺はえおえおね」
「…え、…えお…えお…?」
「今度からそう呼ばないと、きっくんに頼んで軍法会議にかけるから」
「え」
さらっとすごいことを。名前呼ばなかっただけで軍法会議ですか、そうですか。
「え、えお、さん? あの」
「…もう1回呼んで」
「え? ……えおさん…」
「……なんか、ぐっときた」
「え」
ぐっときた? なんでそんなに嬉しそうなんだ、隊ちょ……じゃなくて、えおさん…
そんなえおさんの隣で、ぎゃいぎゃいと騒ぎ始められた。
「ずる! えおえおずる! ね、俺は? 俺は?」
「え……ふ…、…ふぶさん…」
「……本当だ、ぐっときた」
「え」
どういうこと。なんでそんな事になるの?
俺よくわからない。
ぐるぐる思考が回っていたら、扉が勢い良く開いた。
「すぽおおおおおん!! ここに降臨した漆黒の堕天使こと、KIKKUN-MK-2だよー! …って」
「おい、飯持ってき…た…」
あれ、司令さんと鬼さん…じゃなくて。きっくんさんと、あろまさんだ。
なんで2人とも固まった?
「な、なんで詰め寄られてるの、ナノ?」
「詰め寄られてる? ……あぁ」
そういえば詰め寄られてた。
2人とも半身乗り出すようにして俺に詰め寄ってきてたんだっけ。
「とりあえず2人ともどくべ。ほら、飯」
「あ、ありがとうございます…。……あろまさん」
「?!」
椀を渡してくれたあろまさんが、かなりびっくりした顔で俺の顔を凝視してきた。
「……なんでしょう…?」
「い、いや、名前呼ばれたと思って」
「…えおさんとふぶさんに、呼ばないと軍法会議にかけると言われたので」
にやっと笑った2人に対して、あろまさんは機嫌の悪い顔をした。
なんで機嫌悪いんだろう。
そんなことを考えながら、俺は首を傾げた。
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長閑(プロフ) - ありがとうございます!優しい皆様を支えに頑張りますね!本当にありがとうございます! (2014年12月29日 14時) (レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 凄く、好きです!面白いです! 情景が浮かんでくるような文章で、読んでいてドキドキします!! (2014年12月29日 14時) (レス) id: f6373ac006 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ありがとうございます!年末近いですが全力で頑張ります! (2014年12月27日 23時) (レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
春夏秋冬あさよ(プロフ) - 凄く面白いです!夢中で一話から読んでしまいました!更新楽しみにしています!! (2014年12月27日 22時) (レス) id: 2eb841fda8 (このIDを非表示/違反報告)
野狐(プロフ) - 今後どうなって行くかが楽しみです!次の更新まで気長にまってまーす! (2014年12月27日 11時) (レス) id: cd814794a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2014年12月21日 14時