崩落 ページ16
背後をとられたと思ったのと同時、ナイフが相手の喉を捉えていた。
俺の方を気にかけた鬼さんの方が危険だ。
踏み込んで、疾走る。鬼さんとすれ違い、そこにいた男達の喉元に厚底のブーツが食い込む。
「…っ！」
鬼さんの日本刀が閃く。
翻った刀身が男の身体を分断し、そのまま突き刺した。
「ナノ、一旦退くぞ」
「え。どうしてですか？」
「通信。聞いてねぇのか」
「……あ、通信きれてました」
「このばか」
ごん、と音がしそうなくらいのちからで殴られ、軽く悶える。
通信を改めて入れると、司令さんが焦った様子で告げた。
『西軍が攻めてきてるらしい。あの強化兵もいる。一旦えおえお達と合流してくれ！』
「……強化兵……？ 西軍に？」
「知らねぇのか」
意外そうな声に軽く頷きながら、俺と鬼さんは並んで走る。
話によると、軍事投薬により人体強化、または異様に凶暴化した兵士達だという。
さすがにこの人数相手に、その強化兵相手は骨が折れるのだそうだ。
「……俺、１人行動だったからな……」
「そういや、おれらと戦ってた時も、お前１人だったよな」
「あぁ、えと、はい。俺専属のオペレータ以外は…一緒に戦ったことない、です」
あの射撃衛星マジうっとうしかった、と小さく呟きながら鬼さんが眉を寄せた。
それに軽く肩を竦めながら、目標地点まで走る。
「後少し…って、はぁ？！」
進行方向には、すでに敵兵が銃を構えている。
それを見ながら、俺は淡々と言葉を紡いだ。
「回りこまれてたみたいですね」
「言われなくても分かるわ！ マジうっとうしい、蜂の巣にしてくれるわ！」
「鬼さん刀じゃないですか…」
「そういうところは言うなや！」
敵の数はさっきに比べると少ない。２人でもなんとかなるであろう数だ。
じゃあ、と踏み込んだその時だった。
「ヤバい」
「は…っ？！」
俺は鬼さんを抱え込んで、跳んだ。
しかし俺が目指した、目的の場所までとどかない。
くそ、と小さく声をもらした。
床が、消失した。
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長閑(プロフ) - ありがとうございます！優しい皆様を支えに頑張りますね！本当にありがとうございます！ (2014年12月29日 14時) (
レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 凄く、好きです！面白いです！ 情景が浮かんでくるような文章で、読んでいてドキドキします！！ (2014年12月29日 14時) (レス) id: f6373ac006 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ありがとうございます！年末近いですが全力で頑張ります！ (2014年12月27日 23時) (レス) id: b1fbb6f323 (このIDを非表示/違反報告)
春夏秋冬あさよ(プロフ) - 凄く面白いです!夢中で一話から読んでしまいました!更新楽しみにしています!! (2014年12月27日 22時) (レス) id: 2eb841fda8 (このIDを非表示/違反報告)
野狐(プロフ) - 今後どうなって行くかが楽しみです！次の更新まで気長にまってまーす！ (2014年12月27日 11時) (レス) id: cd814794a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2014年12月21日 14時
