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何ひとつ嘘偽りのないうみの言葉に、
私の澱んだ気持ちは澄み渡っていく
『遊んでるんじゃ、ないの…?』
それなのに
この期に及んでまだこんなことを聞いてしまう
私はきっと相当可愛くない女だ
「俺、Aのことばっかかんがえて、たったの1日だけでジェットコースターかよ!ってくらいに一喜一憂してるの。会いたくて会いたくって仕事終わりにダッシュであいにきたのに、寝てて起きないし…まあかわい〜からさ、ゆるすんだけどね?でもきゅうに遊んでんじゃねえ!っておこられちゃって…も〜、俺泣いちゃうよ?笑」
前半の言葉に口角が上がって、
後半の言葉に胸がズキズキする
『ご、ごめんなさい』
「Aのことこんなにこーんなにだいじなのに、だれがあそぶっていうの?」
うみはそう言いながら、子供をあやすように
私を抱きしめたままゆらゆらと左右に揺れる
甘すぎちゃうくらいのうみのことばに、
私の心がどんどん溶かされていく
急に、ぴたりと揺れるのをやめて
きつく抱きしめてた手を緩めたので
思わずうみを見上げる
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作者名:溺れて | 作者ホームページ:https://twitter.com/aotohimitsuno
作成日時:2020年11月17日 7時