ホストの素顔 [Ryusei.F] (ページ2)

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｢いらっしゃいませ。
いつもご利用ありがとうございます！｣

そう言いながら作り笑顔でニコッとすると

おば様達は

｢あら、星くん！今日もよろしくね♡｣

と語尾にハートをつけて引っ付いてくる

あ、ちなみに店では名前呼ばれたくないから

星(せい)って言う名前を名乗ってる

｢星くん！今日はシャンパンいっちゃお！｣

｢ありがとうございます！！｣

シャンパンコールや音楽が店に響き渡る

この店で働くようになってから酒には強くなってきた

________________｢星様、ご指名です｣

｢分かりました。
すいません、指名が入ったので失礼します｣

『えええ！いやよ、もうちょっとおばさん達に付き合って？』

｢すいません、またご指名頂ければ戻りますので｣

…めんど。

｢では、失礼します｣

.

｢星くぅん？｣

俺が最も苦手とする香水プンプンのぶりっ子

｢ご指名ありがとうございます｣

｢いいえ♡
…ねぇ？今日……この後…だめ？｣

来て早々これかよ

ってそんなことにも慣れてしまった俺は

汚れたなと痛感させられる

｢すいません、今日は予定があって…｣

｢そうなの？！ざんねーん…

じゃあ…またこんどね？｣

｢ははは…笑｣

こいつ酒回ってきてる

めっちゃ酒臭い

｢せい…くん……ギュッてして？｣

｢…ｷﾞｭ｣

｢んふふ、ありがとう、うふっ♡｣

彼女はご機嫌なまま店を出ていった

.

『ありがとうございましたぁ～！』

そして、店の客が全員帰り店はCLOSE

おれは早足で家に帰った