検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:10,091 hit

とても穏やかな、 ページ6

.

(#2と穏やかな時間)









コトリと、机にマグカップを置く音が響く。

ひどく静かなこの部屋が、煎れたばかりのコーヒーの匂いで満たされていく。


雑務室。勝手に私がそう名付けて、わかりやすいように表札も設置した。元々、昔の書類や今は不要なものなどを置く物置として使われていた部屋だ。

埃まみれ、物まみれで、整理や掃除は大変だったが、今はこの場所を作ってよかったと心の底から思う。


すっかり自分の物で溢れるこの部屋は、期間限定で解禁される特別なものだ。

というのも、普段の仕事は他の事務員の方と同じ事務室で行っているから、この部屋を使うことがない。それに、この部屋を使うときは私が"雑務係"として頑張るときだけにしたいという思いがあるからだ。私にとって、この部屋は大切で、特別なものである。



「はい、熱いので気をつけてくださいね。」

「ありがと〜」



もう一つのマグカップを向かいに座る小野寺くんの前に置く。この雑務室には、時折誰かが訪れてくれるのだ。そうして、訪れた人と過ごす時間は穏やかに流れていく。私はこの一時がとても好きだ。


なかでも小野寺くんはよくここに来てくれる。

以前、「ここ落ち着くからお気に入りなんだよね」と言って、へにゃりと笑った小野寺くんだが、彼からどことなく感じるマイナスイオンに私の方が癒されているのだ。









.

・→←いたずらに檸檬



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
101人がお気に入り
設定タグ:全日本男子バレー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

午睡(プロフ) - RIOさん» ありがとうございます…!!( ; ; ) (2021年10月9日 11時) (レス) @page10 id: 95250c6930 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらっています!めっちゃいいお話ですね!!!更新頑張ってください! (2021年10月3日 23時) (レス) @page9 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:午睡 | 作成日時:2021年9月26日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。