いとおしいね、

今、姉とデートしてるのは俺なので ページ41

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姉と並んで歩くのが好きだ。落ち着くし、心地いいし、なにより嬉しい。

隣で笑って他愛もない話をする姉は可愛くて、ついつい俺の口元も緩む。



どうやら、立ち寄った店で可愛いマグカップを見つけたらしく、姉はそれを手に｢お会計してくるから、ちょっと待ってて！｣とレジへ向かった。

ほくほくした様子の姉は、もうめちゃくちゃ可愛い。俺、あの顔好きなんだよなあ。姉の嬉しそうな顔を見ると、俺も幸せな気持ちになる。



店の入口付近、お互いをすぐに見つけられる場所で姉を待つ。

それほどレジは混んでいなかったように見えたが、姉が中々戻ってこない。不思議に思った俺は、店内に入って辺りを見渡し、姉の姿を探す。


すぐに姉は見つけられたが、違う問題が生じた。

見知らぬ男が姉に話しかけている。その様子に、俺は思わず眉間に皺を寄せた。…ナンパか？


確かに、俺の姉はめちゃくちゃ可愛い。男は中々見る目があるようだ。そこは褒めてやる。

でも、俺の姉だから。今デートしてるの俺だから。折角の姉との時間に水を差すのはやめてほしい。

歩み寄って姉の背後に立つと、男は驚いた顔をして俺を見る。



｢A、｣

｢あ、太志…！待たせてごめんね、｣

｢ううん、大丈夫。｣



申し訳なさそうに謝る姉の頭をぽんぽん撫でる。勿論、男に対する牽制の意味も込めて。

｢…誰？｣と訊ねると、大学の同級生だと姉が教えてくれる。



｢へえ、大学の…。｣

｢え、っと……｣

｢俺の姉がどうも。｣



｢邪魔しないで貰えますか？｣と目で訴える。なんとなく雰囲気で察したのか、男は苦笑いで別れの言葉を告げて背を向けた。

再び、｢待たせてごめんね｣と謝る姉の頬を軽く抓る。



｢可愛いマグカップ買えた？｣

｢うん、買えた〜。使うの楽しみ！｣



姉との時間は大事にしたいし、俺といる間、笑顔の姉がたくさん見られたら嬉しい。

誰であろうと、姉との時間を邪魔するのは許しません。









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弟なら話は別です→←姉は重症です

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