菊の花に縋る

ひとりよがりは夜にして ページ46

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｢Aさん、飲んでます？｣

｢飲んでる飲んでる〜｣

｢相変わらずいい飲みっぷりね…｣

｢酒飲まないとやってられないんで。｣


4機捜で桔梗隊長の家で集まろう、という話に私も誘われて今に至る。既に空の缶ビールが三つ。麦さんが新しい冷えた缶ビールを渡してくれて、私はそれを躊躇いなく開けた。桔梗隊長には呆れたように笑われる。酒だけが私の癒しだ。

酒を喉に通しながら、ゆたかくんと遊んでいる志摩と伊吹を見る。おもちゃの刀で斬られまくる二人に笑ってしまった。やられる演技が無駄に上手い。
九重さんは子供との接し方に戸惑っているようで落ち着きがない。陣馬さんはそっとそれを見守っている。"平和だなあ"とグイグイ酒を飲んでいたら、ゆたかくんが駆け寄ってきた。


｢なんだなんだ、どうしたよ。｣

｢Aとまだ遊んでないっ！！｣

｢お、遊んじゃう〜？｣

｢はやく、はやく！｣


子供って、本当に無邪気で可愛いな…。
私の手を振り回したり引っ張ったりするゆたかくんに、可愛いの感情が爆発しそうだ。これが伊吹の言う、きゅるきゅる…？
ゆたかくんに連れられて、とりあえず九重さんの隣に腰を下ろす。


｢子供の相手、慣れない？｣

｢…どうしたらいいかわからなくて、対応に困ります。｣

｢……九重さん可愛いねえ。｣

｢っは、？！可愛くありません！何をどう考えたらそうなるんですか！｣

｢おいA〜、俺の相棒をあんまりいじめるなよ〜。｣

｢すいません。困ってる顔が可愛いから、つい。｣

｢流石の性格の悪さ…｣

｢志摩、今なんて？｣

｢いえ、なにも。｣



九重さん、お願いだからドン引きするのはやめてくれ。謝るから。









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