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｢言っておくけど、それで私が話すわけじゃないんだよ？｣
｢あの時"俺には話せない"って、俺にだけは絶対言えないみたいな言い方に腹が立った。｣
｢いや…それは、ねえ？｣
｢それに関しては理由もわかったし、俺が無視することで全部解決するからいい。｣
｢あ、それでいいんだ…。｣
あれは俺の聞き方も良くなかったかもしれないが、Aが俺にだけは何がなんでも言わないみたいな言い方するのも良くなかった。かなりショックだったし、ムカついた。それは俺の中で解決したから良しとする。
｢無理矢理話させるつもりはない。Aが腹を括って話す気になるまで待つ。｣
｢…そこは暴君じゃないのね、｣
｢ただし、前みたいに明らかに様子がおかしくてぼんやりしてたら何がなんでも吐かせる。｣
｢吐か…、取り調べみたい……｣
｢…お前は、限界を超えても助けを求めないだろ。この前のがいい例だ。｣
どこを見てるかわからない、目に何も映さないぼんやりとしたあの姿に危うさを感じた。
図星をつかれたAは、不満そうに俺を見つめて何度目かの溜息を吐く。渋々といったように口を開いた。
｢…私が誰にも話したくないのは、今更話したってどうにもならないってわかってるからだよ。これは本当に、誰にもどうにもできない。｣
｢……話しても無駄だって思ってる？｣
｢正直、そう思ってる。……私が未だに答えを出せないそれを、他の誰かが答えられるわけがない。多分、一生解けない難題だから。｣
そう言って眉を下げて笑うAに、何も言えなかった。
悔しい。もどかしい。"それは話してみないとわからないだろ"なんて、簡単には言えない。Aに期待させて、いざ話を聞いて"それは俺にもわからない"なんてなったら、Aはどう思う？
そんな無責任なこと、俺にはできない。さっきまでの強引さはどこかへ消えてしまった。
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みず。(プロフ) - 樹さん» はじめまして！たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます…！励みになります！！ (2020年10月11日 17時) (
レス) id: 8c2fd9630e (このIDを非表示/違反報告)
樹 - はじめまして。菊の花に縋る、MIU夢の中でも一番に好きな作品です。初めから読み直しては毎回志摩さんと主人公さんの距離にきゅんとしています。評価の星が複数回押せないのがもどかしい！続き楽しみにしています。 (2020年10月11日 8時) (レス) id: c294f25bdb (このIDを非表示/違反報告)
みず。(プロフ) - リトルバードさん» はじめまして！とても嬉しいです…！ありがとうございます！！ (2020年10月6日 20時) (レス) id: 8c2fd9630e (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - みず。さん、はじめまして！主人公ちゃんと志摩さんの微妙な関係がすごく現れていて読んでてキュンキュンしました！更新楽しみにしています！ (2020年10月6日 18時) (レス) id: fd0b490cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：静 | 作成日時：2020年9月21日 23時
