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｢志摩は、香坂が亡くなってからウイスキーが飲めないし、まだ夢で魘されてる。｣
｢…知ってたのか、｣
｢……六年もあった。チャンスは一回だけじゃなくて、何度も。でも私は、志摩に手を伸ばさなかった。｣
｢A、｣
｢助けたいって気持ちだけじゃ、どうにもならないんだよね。｣
Aは烏龍茶を飲み干して、グラスを優しくテーブルに置いた。再び沈黙が訪れる。
やっぱり、Aは優しい。優しすぎる。人の痛みに寄り添おうとして、結果的に自分を傷つけている。
"助けたいって気持ちだけじゃ、どうにもならない"、それは俺も実感した。Aを助けたいって思うのに、どうしたらいいかわからない。踏み入ることに躊躇ってしまう。
だけど、足踏みするのはやめた。
｢俺は、…結構自分勝手だ。｣
｢…知ってるよ。｣
｢この際、お前が負い目を感じてるのなんか知らない。無視する。｣
｢……は、｣
｢俺はお前が苦しそうなのを見たくない。助けたいから助ける。それに昔のこととか、お前の罪悪感とかは関係ない。｣
｢……暴君かよ。｣
Aには、これくらい強引な方がいい。こっちが引き続けても何も変わらない。
頭を抱えたAが溜息を吐いて、俺を見る。反論しないということは、諦めたということでいいのだろう。
｢お前は気にするなって言っても気にするだろ。｣
｢…そりゃあ、するでしょうよ。｣
｢だから俺がガン無視する。お前が気にしても、俺は気にしない。｣
｢あの、言ってることめちゃくちゃだって気づいてます？｣
｢ああ、気づいてるよ。｣
｢マジで暴君だな……傍若無人だな…、｣
｢お前が俺の手を振り払っても、無理矢理引っ掴んで離してやらないから覚悟しろ。｣
｢……お前、本当に警察？｣
｢何なら仲良く手錠を分け合うか。｣
｢…勘弁してください。｣
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みず。(プロフ) - 樹さん» はじめまして！たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます…！励みになります！！ (2020年10月11日 17時) (
レス) id: 8c2fd9630e (このIDを非表示/違反報告)
樹 - はじめまして。菊の花に縋る、MIU夢の中でも一番に好きな作品です。初めから読み直しては毎回志摩さんと主人公さんの距離にきゅんとしています。評価の星が複数回押せないのがもどかしい！続き楽しみにしています。 (2020年10月11日 8時) (レス) id: c294f25bdb (このIDを非表示/違反報告)
みず。(プロフ) - リトルバードさん» はじめまして！とても嬉しいです…！ありがとうございます！！ (2020年10月6日 20時) (レス) id: 8c2fd9630e (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - みず。さん、はじめまして！主人公ちゃんと志摩さんの微妙な関係がすごく現れていて読んでてキュンキュンしました！更新楽しみにしています！ (2020年10月6日 18時) (レス) id: fd0b490cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：静 | 作成日時：2020年9月21日 23時
