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「1機捜本部から4機捜。刃物を所持した男が男性を切りつけ、××駅から走って逃亡したと通報あり。現在、機捜103が対応中。4機捜、ヘルプをお願いします。場所は───────」

「機捜404、了解。」


「103、」

「ん?なに、志摩。」

「いや、Aの乗る機捜用車が103だった気がする。」


雨の夜道に機捜用車を走らせて、今日は何も起こらずに終わるだろうと思っていたがそうはいかないようだ。
伊吹との会話を遮るように車内に響いた無線が止んで少ししてから、ふと気づいたことを口から零した。

先程の通報を対応しているのが同期だと知って、少なからず心配はする。勿論Aは優秀だし、信頼もしてる。ただ、やはり刃物やら拳銃やらを所持しているとなると不安に感じてしまうのだ。
今日、あいつは誰と組んでいるのだろうか。


「そういえば、Aちゃんって今は誰と組んでんの?」

「あいつに特定の相棒はいない。その日によって組むやつは違うし、基本的に仕事をする時は一人を好む。」

「…それもこの前の話に繋がる?」

「だろうな。」


"Aは誰とも組まない"
いつだったか、隊長に呼ばれた帰りの廊下で聞こえた話だ。噂に興味はないが、それが同期のこととなれば話は別。飯を食いに行った時、それとなくAに聞いたことがある。
"私に相棒なんていない"、そう返したAの表情に温かさなんて無くて、ただひたすらに冷たく凍っていたのを鮮明に覚えている。

物思いに耽けていると、伊吹が車を止めた。街の方より薄暗く、明かりが少ない。


「…ここか、」

「みたいだね。ちょっと街灯少ないなあ、もう少し奥の路地裏だっけ?」

「ああ。あっちの、」


「─────あの、4機捜の方ですか?自分は103の八塚です。」

「…どうも、4機捜の志摩です。こっちが伊吹。103のもう一人は?」

「自分が通行人を誘導している間に、Aさんが犯人を、」

「俺、ちょっと裏から回るから二人は正面からAちゃんの方行ってあげて。」

「勝手に決めるな…って、もういないし……」

「行きましょう、こっちです。」


前を歩き始めた男が、無線でAに話しかける。まだ若い、きっと経験の少ないような新人だ。
俺とAが組んでいたらもう少しスムーズに確保できただろうか、なんて思うのは、今はやめよう。

ふと我に返って、次に耳に飛び込んできたのは、Aにしては大きな声と、冷たい銃声だった。









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みず。(プロフ) - 樹さん» はじめまして!たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります!! (2020年10月11日 17時) (レス) id: 8c2fd9630e (このIDを非表示/違反報告)
- はじめまして。菊の花に縋る、MIU夢の中でも一番に好きな作品です。初めから読み直しては毎回志摩さんと主人公さんの距離にきゅんとしています。評価の星が複数回押せないのがもどかしい!続き楽しみにしています。 (2020年10月11日 8時) (レス) id: c294f25bdb (このIDを非表示/違反報告)
みず。(プロフ) - リトルバードさん» はじめまして!とても嬉しいです…!ありがとうございます!! (2020年10月6日 20時) (レス) id: 8c2fd9630e (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - みず。さん、はじめまして!主人公ちゃんと志摩さんの微妙な関係がすごく現れていて読んでてキュンキュンしました!更新楽しみにしています! (2020年10月6日 18時) (レス) id: fd0b490cca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年9月21日 23時

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