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試合前のアップの時に撮った写真を見返しながら、「やっぱり涼木くんかっこいいなあ…」と熱い感情を隠しきれずに溜息をこぼしてしまう。
真剣な顔の涼木くんがカメラのフォルダに収まっている。これでどんなに辛い仕事も頑張れる。涼木くんは目の保養。癒し。
再びカメラを構え、涼木くんを追いかける。彼の隣にはやっぱり小野寺くんがいて、「なんと言ってもこの二人だよなあ」と私は口元を緩めた。
同じポジションで大学時代はライバル、今ではチームメイトという二人に胸が熱くなる。普段から仲が良くて、お互いに隣にいるのが当たり前みたいな。
涼木くんは、小野寺くんの隣にいるときが一番楽しそうで、いい笑顔だ。笑い合う二人を写真に収めてはにやけが止まらない。
少し塩対応な小野寺くんに振り回される涼木くんは、男子高校生みたいで可愛いし、塩対応と見せかけて涼木くんのことが大好きな小野寺くんも可愛い。
まさにニコイチ。可愛くて仕方ない。
サーブ練習中、一本打ち終えた涼木くんが小野寺くんの方に歩み寄る。それを見て、「きた!」と思った私はカメラを構え直した。
涼木くんと小野寺くんが、どちらからともなく拳を作ってグータッチをする。毎試合行われるこの二人のグータッチに、私は熱が込み上げてくるのだ。
カメラを膝に置き、エメラルドの20の背中を自分の目で見つめる。眩しくて、最高にかっこいい、私のヒーローがそこにいた。
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RIO - 小説前から読ませてもらってるんですけど、めっちゃ好きです(唐突) ほんっまにこの作品面白くて! 更新頑張ってください! (2021年12月8日 0時) (レス) @page13 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午睡 | 作成日時:2021年10月30日 22時