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結んで、ほどいて ページ18
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隣に座って静かにスマホをいじる太志の顔を、なんとなく横目でじっと見る。
唇を尖らせたり、逆に結んだりして、ころころ変わるのが可愛い。思わず笑いがこぼれてしまう。
今日に限らず、太志の口はいつもころころ変わって可愛い。
私が見ていることに気づいた太志が、スマホから視線を外してこっちを向いた。
｢なに、どしたの。｣
｢うん？なんか可愛いなあって。｣
｢え、可愛い？…俺、可愛いの？｣
｢めちゃくちゃ可愛いです。｣
ぷにゅっと、太志の両頬を指でやさしく摘む。"うぇ？"なんて、太志から気の抜けた可愛い声がする。
頬をみょんみょんしていたら、されるがままの太志が眉を下げてちょっと困った顔をしていた。名残惜しいけど手を離す。
｢いつも口元が可愛いなと思いまして。｣
｢口元？…そうかな、｣
｢さっきも可愛かった。｣
｢え〜、無意識だわ。｣
"うーん"と首を傾げて、自分の口を触っている。ふと何を思ったのか、太志はこっちを向いて顔を近づけた。
触れるだけのやさしいキスだ。突然のことに驚きつつも、太志の唇は柔らかいなあ、なんて思う。
｢可愛いでしょ。｣
"ふふん"と、太志は得意気に笑ってみせた。
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作者名：午睡 | 作成日時：2020年9月16日 22時
