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_Yuta side_
『お、はようございます』
「...おう」
『これ...お邪魔したお礼です』
「ん。」
それだけ言って楽屋を出たあいつ。
控えめに向かえの机に置かれた小さい箱。
中からは甘い匂いがする。
あいつの香水の匂いと混ざって心地いいけど、甘ったるい匂い。
別に礼とかええのに。
9割くらい俺が無理矢理泊めたみたいなもんやし。
亜嵐「え、なにもうそんな仲良くなったの?」
「亜嵐くん妬いちゃう〜っ」
「なにーもう、やかましいわー。」
亜嵐「認めてあげれそう?ってか、認めてあげてよ。」
「いや、別に認めてないわけちゃうし。」
亜嵐「やだ裕太くんツンデレー?」
なんで冷たくしてまうんやろ。
ツンデレでもないし、嫌いでも苦手でも認めてないわけでもない。
自分でも不思議でたまらん。
わからないことをぐるぐる考えることが嫌になって、俺は楽屋を飛び出した。
「った、」
『ご...ごめんなさいっ』
自販機へと向かう途中の曲がり角、タイミング良く出てきた誰かとぶつかる。
少し長い髪が揺れて、甘い匂いが広がった。
またお前かい。
少々呆れながらさっき見たばかりの顔に目をやる。
「...なんで泣いてるん、」
『っすいません』
亜嵐くんに冷やかされる原因であるそいつの泣き顔は、妙に胸を高鳴らせた。
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蓬 - 心にストンと落ちてくる葵子さんのお話にいっつも助けられてます。更新大変かと思いますが頑張ってください!応援してます! (2018年8月17日 1時) (レス) id: db0c6e08f6 (このIDを非表示/違反報告)
さちまる◎ - とてもおもしろかったです!佐野くんのお話も見てみたいです。これからもがんばってください!更新楽しみにしてます!! (2018年3月30日 18時) (レス) id: ed9abe364f (このIDを非表示/違反報告)
葵子(プロフ) - 莉愛さん» わあああ!!めっちゃ嬉しいです...!(;Д;)(;Д;)ありがとうございますっ!!本当に励みになります! (2018年3月27日 23時) (レス) id: 6b76cfea77 (このIDを非表示/違反報告)
莉愛 - 言い忘れてました(汗)初めまして!更新頑張って下さい! (2018年3月27日 22時) (レス) id: 936ea7fe0b (このIDを非表示/違反報告)
莉愛 - 私、この作品大好きになりました!これからも葵子さんの素晴らしい作品を期待しています!頑張って下さい! (2018年3月27日 22時) (レス) id: 936ea7fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵子 | 作成日時:2018年3月9日 17時