18 ページ19
.
まだ春には遠い寒さ。
思わずマフラーに口元を埋める。
事務所へ行く前に寄ったコンビニでおでんを一つ買うのが当たり前みたいになっていて。
それで手を温めた。
食べ歩きはいけないことだけど、今日は本当に凍えるほど寒い。
内側からきちんと温まりたくて、一つ大根を取って口に入れた。
んま...。
じんわり熱いのが伝わってくる。
もう一つ具を取って口に近づけた。
『あ、』
「あちっ...」
「ん、うまい」
ひょいっと腕を持ってかれて、それは私の口には入らなかった。
開いた口が塞がらない。
それは食い物の恨み、とかではなく...。
「美味いもん食っとるなぁ」
『今...か、かんせつ』
「あ、間接キスやった？」
ラッキー、と鼻の先を赤くして笑っている。
...うん、やばい。
めっちゃ意識しちゃってる。
寒さとか吹っ飛んでったよ。
今、真夏ですね。
「おでん食べても温かくならんくない？」
『一瞬温かい、かも』
「早く行こ、」
さり気なく繋がれた右手に胸を高鳴らせながら、腕を引かれるがままに龍友くんの背中を追いかけた。
...ある意味温まった。
いつもの仕返しに、繋がれた手をぎゅっと強く握り返した。
「(可愛ええなぁ。)」
______________________
*追記
龍友くんの一人称についてですが、注意書きに記載した通り、作者の捏造です。
勝手ながら、当初と同じく"俺"で統一させていただきます。
2度の訂正をお許しくださいm(_ _)m
また、お教えくださった方々ありがとうございますっ！！
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2526人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
斐禄 - 最高すぎます……(語彙力) (2019年10月18日 18時) (
レス) id: 8cbbf12531 (このIDを非表示/違反報告)
Yuu(プロフ) - 続編お願いします！笑 (2019年1月19日 11時) (レス) id: eb6070b8e6 (このIDを非表示/違反報告)
萌夏(プロフ) - 面白かったです！続編書いて欲しいです！ (2018年8月28日 18時) (レス) id: 477e912728 (このIDを非表示/違反報告)
る - 最高でした！龍友くんメインのお話でこんなにきゅんきゅんするのは初めてでした！ありがとうございました！ (2018年5月13日 17時) (レス) id: 563bc38863 (このIDを非表示/違反報告)
葵子(プロフ) - 凛々さん» コメントありがとうございますっm(_ _)m嬉しいです！(;Д;)(;Д;) (2018年4月5日 14時) (レス) id: 6b76cfea77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵子
| 作成日時：2018年2月13日 19時
