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もう日が暮れるのも早く、17時と言えども気づけば辺りは街灯がぽつりぽつりと輝いている。
「どっか行きたいとこある?」
『んー...そうですねー......』
この辺何があったかなあ、と辺りを見回してパッと目に入ったのは外装からお洒落なクレープ屋。
そこに目が釘付けになってる私に気づいた数原さんが優しく笑って腕を引いてくれる。
「行こ、」
『...いいんですか?』
「ええよ。僕も甘いもの好きやし。」
こういうところ。
素敵で、優しくて、腕を引いてくれるところ。
好きが止まらなくなりそう。
また抑え込みそうになるけど、今は止まらなくてもいいんだ。
だって短い期間だとしても、私は数原さんの彼女なんだから。
素直に、好きって言える。
『...ありがとうございます。』
「ん、いーえ。」
『そういうところも、好きです。』
「...僕も、Aの素直なところ好きやで、」
予想外も予想外。
上手いこと誤魔化されると思ってた。
...まあ、逆に誤魔化されたのかもしれないけど。
私は単純だから、素直に喜んでしまう。
『っ...ク、クレープ!食べに行きましょう!!』
「えーそういう空気にした奴がなんで照れとんの...」
再び手を引く数原さんの耳が少しだけ赤かったような気がして、自惚れたくなった。
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みん(プロフ) - 素晴らしい文章力で、引き込まれます!ありがとうございます! (2019年5月20日 9時) (レス) id: f912ed750b (このIDを非表示/違反報告)
ARM26(プロフ) - すごく好きです…!こんなに引き込まれて一気に読んだのは初めてです!これから続編読むのですが楽しみ半分、終わりに近づいてる寂しさ半分…終わりまで楽しませていただきます! (2019年1月18日 21時) (レス) id: 6024ec169a (このIDを非表示/違反報告)
GENE love - 葵子さん» 賞味期限2も読ませてもらいました! ほんまに泣きました。 ほんまに体験してるみたいな気分になって切なくなって感動です! 頑張ってください! (2019年1月13日 20時) (レス) id: 1e4df9a365 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦で~す推し。(プロフ) - 愛故にを読んでるとき号泣してたので、ハンカチ用意しときます。真顔 (2019年1月13日 14時) (レス) id: 52e976e0eb (このIDを非表示/違反報告)
葵子(プロフ) - 釈迦で~す推し。さん» これからもっと切なく......(;Д;)(;Д;)← (2019年1月13日 14時) (レス) id: 6b76cfea77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵子 | 作成日時:2018年11月25日 18時