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「おはよ」
『......、』
「え、起きとる?」
『っあ...私ですか?』
「私です。」
『お、はようございます、』
私にも気づいた龍友さんは軽く会釈をする。
なんて言われるかドキドキしていたら普通に朝の挨拶でホッとした。
篠田「あ、龍友!約束のご飯、いつ行こっか!」
「あー...っと、」
龍友さんが篠田さんから私に視線を寄越す。
なんともない振りをする私は、笑顔で首を傾げておいた。
ホッとしたのも一瞬で、あっという間に追い詰められた気分だ。
大丈夫。余裕を持って。大丈夫。大丈夫。
落ち着いて、ここを去れば平気。
自分に言い聞かせるように、私は口角を上げた。
『篠田さん、私先に楽屋戻ってますね』
篠田「あ...ごめん、資料の話、」
『あー、それはお話終わってからでも大丈夫ですよっ』
篠田「そっか、じゃあ後でお願いしよっかな」
一礼してすぐ様そこから離れた。...龍友さんの方なんて、一切見れなくて。
本当は、話したかったのに。
篠田さんとご飯、行っちゃうのかなあ...
大丈夫と思いたくても不安が募っていく。
いかないで、なんて言えるわけないよ。
2人きりでいてほしくない。
ただ、楽屋に着くまで唇を噛み締めることしかできなかった。
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みん(プロフ) - 素晴らしい文章力で、引き込まれます!ありがとうございます! (2019年5月20日 9時) (レス) id: f912ed750b (このIDを非表示/違反報告)
ARM26(プロフ) - すごく好きです…!こんなに引き込まれて一気に読んだのは初めてです!これから続編読むのですが楽しみ半分、終わりに近づいてる寂しさ半分…終わりまで楽しませていただきます! (2019年1月18日 21時) (レス) id: 6024ec169a (このIDを非表示/違反報告)
GENE love - 葵子さん» 賞味期限2も読ませてもらいました! ほんまに泣きました。 ほんまに体験してるみたいな気分になって切なくなって感動です! 頑張ってください! (2019年1月13日 20時) (レス) id: 1e4df9a365 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦で~す推し。(プロフ) - 愛故にを読んでるとき号泣してたので、ハンカチ用意しときます。真顔 (2019年1月13日 14時) (レス) id: 52e976e0eb (このIDを非表示/違反報告)
葵子(プロフ) - 釈迦で~す推し。さん» これからもっと切なく......(;Д;)(;Д;)← (2019年1月13日 14時) (レス) id: 6b76cfea77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵子 | 作成日時:2018年11月25日 18時