エピスィミア [色々短編集] (ページ8)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:6,184 hit

最終話ページ8

貴女)え､っと､中入りますよね?

兄者)...おう｡

取り敢えず､外で突っ立ったままじゃ兄者も寒いと思うので､中に入るように即し玄関の戸を閉めた｡

貴女)ｯﾂ！？あ､兄者！？！？/////

兄者).....

突然､体の向きを変えられ兄者に抱きしめられた｡目の前は一面兄者の黒色のシャツで､上を向こうとすると1段と抱きしめる力を強めた｡
前にも言ったように､彼はスキンシップがあまり好きではない｡こうやって抱きしめてくることもほとんど無い｡会社でなにかあったのかな､と思った｡

貴女)どうしたの兄者?何かあったの??

兄者)....

一向に喋ろうとしない兄者｡本当にどうしたのかと､不安が頭をかすめたその時だった｡

兄者)....すまねぇ..

いつもの低く通る声ではなく､か細く今にも消えそうな兄者の声がした｡今度こそ上を向くと､悲しそうな表情の顔があった｡

兄者)...Aを構ってやれなくてすまねぇ｡お前がこの一週間寂しい思いしてたの知ってて何もしてやれなくて､俺最低だな....｡

そう自称気味に笑う彼は､そっと私を離して家の中へと引き込んでいった｡リビングに置かれているソファーに私を座らせると､鞄の中から1枚の紙を取り出し､机の上に置いた｡

貴女)え...！？

兄者)でも俺のそばにいれば､もうAをほおっておくことも無いだろ?

机の上に置かれたのは紛れもなく婚約届けで､兄者は私の前に膝まづいて､懐から黒く四角い箱を取り出した｡

兄者)A､こんな俺だけど結婚してくれないか?

そう言う兄者は涙目で､今にも涙がこぼれそうだった｡

兄者)返事を聞かしてほしい...

貴女)...はいに､決まってるよそんなの(泣)

兄者)っほんとか！？ッツ！(涙)

二人共号泣してしまって､抱き合いながら数10分泣いていた｡
やっと泣き止んだ頃には､目が腫れて面白い顔になっていたので､つい笑が溢れた｡

その後､弟者から話を聞かされやけどあの一週間兄者は動画も取れないほどぶっ通しで働いてて､ほとんど家にも帰ってなかったらしい｡
あと､何故あんなに私に触れてくれなかったのかと言うと､雑誌で[ベタベタする男は女に嫌われる]と書かれており､ずっと我慢していたんだそう｡

その証拠に､前の兄者が嘘のように今はべったりである笑

貴女)兄者～､そんなにくっついたら暑いよ～

兄者)いやだ､やっとAにくっつけるようになったんだぞ

最初はこうも変わるかとびっくりしたけど､やっと寂しくなくなったので満足です！