ガンマンと子狐 (ページ5)

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第四月外界からの使者－2 ページ5

「わ､わ､私..を、....どうする､..気､ですか.....?」

彼女の口からは嗚咽音と共に小さい声で言葉が聞こえてきた｡

それはとてもか細くて､一瞬聞き逃しそうになるようなものだった。

「大丈夫！あなたを取って食ったりはしないから安心して｡」

不二子が小さな子を慰めるように､そっと抱きしめて背中をなでた｡

「ありゃりゃ､こりゃあ悪いことしちまったか?」

ルパンが心配そうにこっちを見てきた｡

「お前､前もって予告状出して無かったのかよ?」

「いや､ちゃんと出したはずだが｡もしかして､この子にまで届いて無かったのかね??」

次元とルパンが言い合っている中､五エ門がじっとAのことを義視していた｡

「予告､状.....?」

聞きなれない言葉に疑問を持ったA｡

不二子の腕の中で首をコクリと傾け､涙で潤んだ目をルパン達に向けたA｡

その表情と仕草は憂いを帯びた花の様に美しく､3人をドキリとさせた｡

「..そ､そう予告状をね～(ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ)」

顔を赤くさせ､ゴニョゴニョ言っているルパン｡
数多の女を扱ってきた彼にしては珍しい光景だった｡

「あーもう焦れってぇ!!あのなお嬢ちゃん､俺達は泥棒でこの部屋にある宝を盗みに来たんだ!!!」

「おー､俺達はそれが言いたかったのよ次元!!」

痺れが切らした次元が､ことのすべてを話した｡

最初Aはあっけに取られたような顔をしていたが､ある言葉が引っかかった｡

「あの..､この部屋には宝というほどの物はありませんが....｡」

「確かに､お嬢ちゃん以外は質素な家具しかないな｡」

「ルパン､貴方も間違えることがあるのね｡」

「珍しいでござるな｡」

３人はルパンが失敗したことを驚いていた。

「だ～れが､失敗したって言った?」

「え､失敗してないの！？」

「失敗も何も大成功よ!!」

ルパンは何故か誇らしげに三人を見回し､Aの方に近ずいて行った｡

「俺様が探してるのはね､.......」

Aのそばまで来たルパンは､彼女と目線が合うようにかがみ込んでそっと笑って言った｡

「神の愛娘にして神娘の忘れ形見､
────神娘 A｡」

「「「「！？」」」」

「お嬢ちゃん､君のことだよ(ニコ)」