桜の舞う季節で叫び走る

第22話 過去の話をする青年 ページ23

「聞いてね、最後まで、俺ね…」

俺ね、実は捨て子だったんだ

そんな俺を助けてくれたのがお母さん、お父さん、だったんだ

その時の俺もお母さん、お父さんは何で俺が捨てられたか知らなかったんだ

だから、のんきに暮らしてたんだ…

その俺は何で捨てられてたと思う？

それはね、




生まれてきてはいけない存在


だからなんだよ


なぜか知りたい？

《汚染寄生虫の血が入った人間》だから


ある日突然悲劇は訪れた

俺のせいで、お母さん、お父さんは喰われた…

そして、俺は

初めのヒトとして、実験されたんだ…

薮「実験…」

そう、実験

だから、

だから俺、感覚ないんだ

それで、皆に、怖がられて嫌がられて…

しかも、仲間に裏切られた

だから、いつの間にか
無くなってたんだ

俺のなかで、山田涼介が…

第23話 ずっと一緒の青年→←第20話 本当のことを話す青年

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す