アイツの空６ (ページ7)

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鼓動が早くなる。

結衣ちゃんは、

「章大先輩、すっかり遠い人になっちゃったなあ。
会社にいた頃にはこんな髪色、考えられませんでしたよね」

画面の中の金髪の章大を見て、
感慨深げに言うだけ。

章大のことなんて、
もうすっかり過去のことなんだ。

とっくに、
未来へ向かって歩き出してる。

私とは違う。

私は、いつまでも、過去にとらわれて・・・

章大の笑顔が消えない。

晴れ渡った青空のように澄んだ笑顔が・・・

胸がずっと痛くて。

CMが終わって、
バラエティ番組が始まってもまだ、
動悸がしてる。

シンゴがさりげなくテレビを切ってくれた。

みんなに気取られないように。

「シンゴって凄いよね。
専務に楯突いたのに、
自分がクビになるどころか、
専務を逆に失墜させるなんて」

慌てて話題を変える。

「失墜て。大袈裟やな。
取引先に出航になっただけやんか。
修二くんが悪いねんで？
結衣の他にもいろいろ余罪があってな、
俺やなくてその女の子らが、
訴えた結果が今やねんから」

シンゴの言う通り。

知らなかったけど、
あの坊ちゃん、
セクハラしたい放題だったらしいんだよね。

「あんな奴、地獄に落ちればいいよ」