アイツの空６ (ページ44)

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感慨にふけってる間もなく。

人目につけへんように、
さっとエレベーターに乗り込んだ。

合鍵。

まだちゃんと持ってるねん。

一応、ノックだけして、
しばらく待って。

自分の鍵を回した。

Aがほんまにびっくり顔で、
玄関に立ってて。

「鍵・・・
そっか」

忘れてたみたいで、にこって笑った。

その笑顔があんまり可愛いて。

着いた途端に、
カバン置いて。

ぎゅうって、抱きしめてもうた。

「章大、その荷物・・・」

「泊めて？あかん？」

すぐに元通りに戻りたい。

前みたいに、仲良くしたい。

「章大のもの、まだちゃんと取ってあるから。
そんなに大荷物持ってこなくて大丈夫だったのに」

くすって笑われた。

部屋の雰囲気、何にも変わってなくて。

相変わらず、おしゃれで洗練されてるモデルルームみたい。

やのに、めっちゃ落ち着く。

俺のお気に入りのソファに座って。

「俺の部屋にも、
Aの物、いっぱいあるで。
新しい部屋にも一緒に連れてった。
パンツも」

つい言うてもうた。

「バカ。
なんで捨てないの？」

Aがキッチンに行こうとしてるから。

手首掴んで。

俺の隣に座らせる。

もう一秒も我慢は無理。