アイツの空６ (ページ43)

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気持ちがはやって、
勝手に泊まるつもりでおったけど。

あかんて言うかな。

駐車場で、
マスクしてキャップ深くかぶった亮と、
咲ちゃんに鉢合わせした。

深夜しか出歩かれへんから、
咲ちゃんもストレスたまるやろな・・・

「ドライブ？」

聞いたら、

「おお」

亮が照れくさそうに答える。

咲ちゃんが、俺にペコンて頭を下げてきた。

めっちゃ控え目でおとなしい人でな。

どこが、Aに似てるんかも、
全く分かれへん。

亮はAにこの人の面影を重ねた言うてたのに。

寂しいて、苦しいて、
たまらんかったんやろな。

今なら少し、その気持ち、分かるねん。

「章ちゃんは？
さてはAちゃんちやろ？」

亮がにやにやしてる。

「うんまあ。
そうやねん」

あかん。

でれでれなってまうわ。

「幸せそうやな。
ほんまほっとしたわ。
また明日な」

亮が先に運転席に乗り込んで、
咲ちゃんが、後部座席に乗る。

人目を偲ぶって辛いよな・・・

亮のでっかい車の後ろ姿を見送ってから、俺もエンジンかける。

Aが待っててくれる思うと、
ひとりでににやけてきそうや・・・

久しぶりのAのマンション。

懐かしさに胸がいっぱいになる。