アイツの空６ (ページ31)

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亮くんて、そういう人なんだな。

咲さんは自然体なんだ、きっと。

「それは貴重なご意見ですね」

結衣ちゃんが書き留めたら。

丸山くんが、

「その努力が可愛いやん。
俺は全然必死さも見せてくれてええで？」

誰に言ってるのか、そう力説してる。

「章大先・・・
安田さんはどうですか？」

結衣ちゃんが、章大に振る。

さっきからもう、
胸がうるさくて苦しいぐらい。

「せやな。
好きな人やったら、何でも可愛いもんな。
自分のために綺麗になろうとしてくれてたら、
嬉しいし。
けど、時々は髪の毛ぐちゃちぐちゃの無防備なとこも見たい気もする。
寝起きの寝癖とか」

少し遠い目をして、章大がそう答えた。

それから、私をまっすぐに見つめるから。

息が止まるかと思った。

この会議室には、沢山の人がいるのに。

二人だけの錯覚を起こしてそうで怖い。

「それ分かるぅ。
そんなん見せてくれる彼女が欲しいわ」

大倉くんの言い方は、まるで、家にいる時みたいで。

このまま暴露大会始まっちゃうんじゃないかって、こっちがはらはらする。

なのに、そこはプロだ。

前に、章大の部屋で会った時には、

彼女の愚痴をこぼしてたのに。

「いつか、大切な人が現れるといいなって思ってます」

にこってキラースマイルで言っただけ。