６３ ページ3
バンドに戻った章大を、
叔父が許すはずはないから。
「・・・A？」
「付きまとわれて迷惑してるの」
戸惑ってる章大の顔。
まっすぐに見られない。
立ち上がって。
「ちょっと二人で話してくるから」
叔父と母にそう告げて、
章大の手を引いて、店の外に出る。
北風が吹き付けて、
心まで凍えそうで。
章大が、自分の着てたコートを私にかぶせようとしたのを、振り払う。
「A・・・怒ってるん？
昨日はほんまに悪かった。
ごめんな。
結衣のことで心配かけたけど・・・
あいつ、今はしんちゃんちにおるねん。
もう二度とあんなことないようにするから。
お願いやから・・・許して欲しい」
章大が私の手をぎゅっと握りしめてくる。
行かないって言い張ってた章大を、
私が結衣ちゃんのところに無理にでも行かせたのに。
そのことで怒ってるって勘違いしてるんだ。
「もう嫌なの。
優しさかもしんないけど。
章大のそういう優柔不断なところ、
見ててイライラする。
子供なんだよ。
振り回されるのはもううんざり。
年下もたまには可愛いかなって思ったけど。
やっぱり大人の男の方が合ってる」
なんとか、口から出まかせでも言えたのに。
「嘘や・・・
そんな見え透いた嘘、信じひん。
ほんまのこと言うてえや。
亮に聞いたんやろ？
俺がもう戻れへんて。
やから？
なあ、答えてえや」
章大は絶対に認めない。
こんなに取り乱すところ、
初めて見た。
「・・・そう。
音楽やらない章大には興味ない。
私、芸術家肌の男に弱いから」
冷たくしなきゃ。
たえられない。
章大を傷付ける分だけ、
自分もずたずたになってく。
「けど・・・
それなら一緒にはなられへんやん。
俺は全部捨ててええねん・・・」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 321人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年8月28日 16時
