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章大が清水先生に向き直って、
お辞儀したら・・・
「彼氏が来たから。
俺はもう行くね。
軽い貧血だと思うから。
看病してやって」
清水先生が章大に言って、部屋を出てった。
二人きり。
頭が痛くて、腰も重くて。
冷や汗出てきそうなのに。
幸せな気持ちで胸が満たされてる。
どうして来てくれたの？
拒絶しなきゃいけないのに・・・
体調が悪いせいにして、
甘えてしまいたい自分に抗えそうにない。
「A・・・
泣いてたから。
心配で・・・
そんなに頭痛いん？
どうしたんやろ。
清水先生に診てもろた？」
「うん。
目の下、こうやってしてた。
そしたら軽い貧血だって・・・」
お医者さんてすごいんだな。
生理だって見抜かれた。
でも、章大にはなんとなく言いにくい。
私、いつからこんな乙女に？
「あの人、ほんまに婚約者なん？
違うやんな？
なんか分かったから。
二人で部屋に上がってくの見て、
めっちゃ焦った・・・」
章大が、
私の顔を覗き込む。
急におでこに手のひらを乗せるから。
心臓が跳ね上がった。
「熱っぽいな・・・
心配や・・・」
まっすぐ私を見つめてる章大の瞳。
恨まれても仕方ない事したのに。
優しい・・・
幸せなのに、身体はだるくて。
息苦しい。
早くドレスを脱ぎたい。
でも、章大にこの姿を見てもらいたい気持ちもある。
少しでも綺麗だって思われたい。
章大はスーツじゃなくて、
ステージ衣装着てるの。
キラキラしてて水色で。
章大によく似合う。
ベッドの上に起き上がろうとしたら、
慌てて支えて助けてくれた。
章大の温度。
甘くて優しい匂い。
「寝てなあかんやん。
そんな真っ青な顔して・・・」
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年8月28日 16時
