アイツの空６ (ページ14)

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章大は私になんて気付いてない。

メンバーと楽しそうに笑ってるの。

久々に見るきらきらの笑顔。

やっぱり今も胸を焦がす。

大好き・・・

「Aちゃん？どうした？
やっぱ体調悪い？」

お料理の載ったお皿を私に差し出しながら、
清水先生が聞く。

「ううん。
大丈夫。
美味しそうだね」

「今日は食べ尽くそうな。
なんせ一流ホテルのシェフの料理だもんな」

清水先生は知り合えば知り合うほど、
変わった人だと思う。

でも、嫌な変わり方じゃなくて。

だんだん、友達みたいになってってる。

私って男の人と出会う度、こうなる傾向にあるんだよなあ。

誰と出会っても、
相手が魅力的でも、

胸の奥の信号が、雄と認識しないの。

ヒトって、認識しちゃうの。

章大以外の人は・・・

「たくさん食べたら。
上のバー行かない？
話があるんだ」

話？

プロポーズ？

それとも、終わりにしましょうって言うのかな。

週末の度に、
食事したり映画見たりするようになって、
そろそろ２ケ月経つ。

お見合いなんだから、
そろそろ関係に結末を迎える頃合いだ。

叔父が、章大たちと話し始めたのが、見えてる。

呼ばれたらどうしようっていう、予感。

見事に当たった。

叔父が手招きしてる。