アイツの空６ (ページ1)

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シンゴがそういう風に、
叔父に説明したんだな。

「うん、そうなの。
好きでもない人と結婚するのもなあって・・・」

適当にごまかす。

「でも、章大くんは？」

お母さんが余計なこと。

「しょうたって？」

叔父が眉を上げた。

「Aの彼氏よ。
可愛いくて優しい子なの。
まだ若いけど、
しっかりしてるし。
同じ出版社で働いてるって・・・」

「そうなのか？
まあ出版社勤務ならいいんじゃないのか？
もしかしてそれって、村上くん？
そんな名前だったっけ？」

叔父の顔が輝いた。

別に医者じゃなくても、
シンゴなら賛成なんだな。

「違うよ。
村上くんはシンゴ。
シンゴは同期なだけ。
今は好きな人もいないから。
清水さんともう一度会ってみる」

これでいいんだ。

悪そうな人じゃなかったし。

結婚して専業主婦になるのが夢だったんだから。

その時。

入口の方がざわざわしてる気がして。

ふと目をやると、
息を切らした章大が立ってた。

何か必死に店員さんに訴えてる。

店の中を見回してた章大が、
私の姿をとらえた。

こっちに近付いて来るのが見えて。

思わず、拳を握りしめる。

なんでここにいるの？

会いに来たの？

そんな事されても困るだけ。