アイツの空５ (ページ41)

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章大・・・

バカだ。

こんな年上女に引っかかって。

自分の夢をないがしろにするなんて。

バカの極み。

「亮くん、教えてくれてありがと。
章大のことは私が説得するから」

「うん・・・
Aちゃん、・・・」

私よりも亮くんの方が切ない顔してる。

今にも泣き出しそうな・・・

「両方って無理なんかな？
俺、あれからずっと考えた。
夢も、一番大切な人も。
諦めたくない。
彼女に、咲ちゃんにもう一度会いたい。
今から会いに行こうと思うねん。
やから・・・
何が言いたいかって言うと。
章ちゃんとAちゃんにもさ。
どっちも諦めんといて欲しい」

「会いに行くって？
もう結婚してるんでしょ？」

「うん・・・
メール送ってん。
去年もこの近くでやってるツリーの点灯式をを二人で見てん。
やからさ・・・
今年も見ようって。
来てくれへんかったら・・・
そん時はほんまにもう諦める」

その時を想像したのか、
亮くんの目が悲しく翳った。

「そっか・・・
会えるといいね」

私は・・・

どうしたらいい？

章大の夢を奪えない。

叔父が自分の意思を覆すとも思えないの。

結婚なんかしなくていいの。

そばにいられたら。

だから夢を諦めないで、

章大にそう言うしかないのかな・・・