アイツの空 (ページ26)

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「さっきの、ショータに報告しとかなあかんな」

ケーキぱくつきながら、
シンゴが言うから。

「なんでよ。
かわいそうでしょ。
浮気かどうかも分かんないのに、
余計な心配させなくていいよ」

「知らんとおる方が可哀想やろうが」

シンゴって、へんなとこ、まっすぐだな。

「傷付けないように言いなさいよ」

ショータの落ち込む顔は見たくないな・・・

シンゴが車で送ってくれて、
マンションに到着。

車降りたら、
なぜかシンゴも降りてついてくる。

「ありがとね。
じゃ」

自動ドアくぐり抜けようとしてたら、
腕をつかまれた。

「部屋あげてくれへんのか？」

緊張感ない笑顔で聞いてくる。

「あげるわけないでしょ。
彼氏じゃないのに」

「俺は彼女やなくてもお前をなんべんも部屋に呼んでやってる」

変な自慢されても。

「それは他の人もいる時じゃん。
今、二人だし」

シンゴのこの強引さは仕事の時とおんなじだな。

欲しいものは全部、手に入れる。

やり方はどうでも。

「ちょうどええやろ。
お前の言う、友達はせえへんことも、
出来るかどうか試せて」

信じられない。

いくらシンゴでも、あったま、きた。

思わず、ほっぺた、
思いっきりひっぱたいてた。

「何すんねん」

シンゴは大和撫子が好みだって、
常日頃言ってるくせに。