アイツの空 (ページ41)

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さっきまで泣き出しそうな、
すがるような目をしてたくせに。

今は、男の顔してる。

ぞくってするような・・・

色気。

「私も、これでも女だから。
雰囲気に流されることもあるかもしれない」

正直に答える。

もし、ショータが、
ここでキスしてくれるなら。

きっと受け入れる。

結衣ちゃんを想ってること、
知ってても・・・

ショータが目を伏せた。

「結衣ちゃんとちゃんと話し合った方がいいよ。
誤解があるのかもしれないし・・・。
明日、休みなんだし。
連絡してみなよ」

こんなこと、言いたいわけじゃない。

だけど、先輩として。

これ以外、どう言えばいいの？

特別な女になれないなら。

せめて、特別な先輩でいたい。

「はい。
話し合います。
月曜から、
金沢に出張ですね。
楽しみにしてます」

いつもの前向きなショータに戻った。

結衣ちゃんが羨ましい・・・

ショータはきっと、

私がシンゴとキスしてても。

こんな風に落ち込んだりしない。

当たり前なのに。

最近、気持ちが近くなった気がして。

結衣ちゃんの存在、忘れかけてたかもしれない。

・・・自惚れてた。

バカ。

本当に、バカ過ぎて。

泣けてくる。