青の微熱(1)

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side:Shinjiro







「キスして...」









色気に溢れた瞳で俺を見つめて









そうだよ






話さなくても何も言わなくても
Aを好きだって大切だって行動で表せば









そうしたら前みたいに









Aの肩に手を置いて
いつもみたいに顔を近づけて









でも









隆『“真司郎くんにバレちゃうよ”って言いながらするの結構良かったけど...』



隆『別にもういいか』









あの日のお兄さんの声と
いやらしい声と匂いと







地獄のような光景のせいで









俺の体はAを拒んだ








．








ﾄﾝ...








あと数センチで届く唇は
Aが俺の肩を押して離れて









「...真司郎を巻き込まなければ良かった」









消えてしまいそうなほど儚く悲しげに微笑んで






静かに涙を流した









「傷つけてごめんなさい」









それはまるで
「別れよう」って言われてるみたいで









真「A...嫌や...っ...」



真「あんなの知ってAを一人になんてできひん...」









必死に腕を掴んでAに懇願しても









「ごめんなさい...っ...」



「私...今真司郎の顔を見るの...すごく辛い」









.








君を泣かせて悲しませて失望させて









俺はなんて無力なんや









.

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