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サザー...ザー...ン...
押し寄せる波の音に目が覚める
眩しすぎる日差しに、目眩がする
「...また、あの夢」
海辺の岩に寄りかかっていたら、いつの間にか眠っていた
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重たい体を起こして
押し寄せる波の間をかき分けて歩く
広がる青い海を足で蹴飛ばす
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あれから2年、私は17歳になった
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お気に入りの真っ白なスカート
ヒラヒラと揺れる裾を持って浅瀬をただ歩く
「(何も変わらない...当たり前の毎日)」
そんなことを思いながら
押し寄せる波の音と、森の奥で鳴り響く蝉の音
それだけに耳を澄ませて
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当たり前の、大したことない一日のはずだった
この日が運命の日になるなんて
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真「あっつ〜...誰も歩いてないやん」
真夏のある日
あなたが、私を見つけてくれた
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真「...っ...!あの...!」
声の方に目を向けると
私に駆け寄ってくる人物を捉える
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この辺りじゃ見かけたことは無い
初めて見た、男の子
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真「やっと同い年くらいの子に会えた(笑)」
綺麗な顔立ち、黒い短髪
太陽みたいな笑顔は目元に寄るシワが印象的
こんな人、会ったことない
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真「こんにちは、俺...」
隆「A」
彼の言葉を遮るように、後ろに引き寄せらる
一気に離れる距離
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真「...こんにちは」
人懐っこい笑顔を見せる彼
隆弘くんは一瞬凍りついたような顔をして
すぐに、いつもの人当たりの良い笑顔になる
隆「こんにちは、兄の隆弘です」
真「あ、お兄さん...」
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真「すみません、妹さんに突然声かけて...」
“失礼します”と礼儀正しく挨拶をすると
彼はそのまま、あっという間に走っていなくなる
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隆「...帰りが遅いと思って、探してみたら」
隆「他の男と2人になるなって何回も言ったよね?」
そう言って、振り向いた隆弘くんの顔は
さっきの柔らかい笑顔とは対象的な
鋭い視線と冷酷な表情
・
隆「おいで」
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私の答えなんて関係ない
手を引かれるがまま、連れて行かれる
また、今日も始まる
拒むことのできない
一方的な、隆弘くんから愛される時間
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401人がお気に入り
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り ょ う な な *(プロフ) - また宇野ちゃんのセリフ「読んでくる」になってます! (2018年3月15日 18時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
Raichi(プロフ) - すごく世界観に引き込まれます!これからも楽しみにしてます!本当に大好きな小説です! (2018年3月13日 22時) (レス) id: 4945e2470c (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - No way backも大好きですがこの作品も同じくらい大好きです(*^^*)更新いつも楽しみにしているのでこれからも頑張って下さい!! (2018年3月13日 20時) (レス) id: 3834e8eb4b (このIDを非表示/違反報告)
り ょ う な な *(プロフ) - ななさん» いえいえ(*´`*) これからも応援してます♪ (2018年2月27日 18時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
り ょ う な な *(プロフ) - 更新頑張ってください(*´`*) (2018年2月27日 18時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2018年1月5日 19時