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光「...今日こそ何か話すかな?」
千「やめなよ!可哀想でしょ」
光「だってさ〜」
私が何も言葉を話さない分
周りの小声がよく聞こえる
「(聞こえてるよ...)」
だって、どう答えて良いのか分からないから
男の子と話したら後で何をされるか分からない
それが怖くて今まで遠ざけてきたから
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真「...?皆もよろしくな」
彼は困ったように笑いながらで
私と周りを見渡して、またキラキラと笑う
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秀「あのさ、與くん」
状況が掴めない彼に話しかけたのは
このクラスで一番目立つグループの子たち
秀「その子、西島Aっていうんだけどさ」
秀「いつも下向いて自分から一言も話さない子だから」
悪気は無いのだろうけど
少し嫌味っぽく末吉くんが言う
光「俺達も仲良くしようと頑張ってたみたいだけど」
光「今はもう諦めて...」
その言葉に、咄嗟に俯く
もう慣れたから
友達も恋人もいない自分の人生なんて
最初から期待なんてしてないから
生意気に悲しむなんてしない
真「へ〜」
光「へ〜って...聞いてた?」
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真「そんなことより...」
机に置いていた私の手が勢い良く引っ張られて
突然のことに私も立ち上がってしまう
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真「皆の名前も教えてや〜」
真「まだこのクラス、Aしか知らへんよ(笑)」
私の名前を呼ぶ彼は
隣に立ち尽くす私の手を包んだまま
秀「...まぁ、いっか〜自己紹介しようぜ!」
みんなの自己紹介が始まっても
繋がれたままの手
「(...どうしよう)」
困惑しながら、その手を見つめていると
秀「...俺たち意地悪で言ってるわけじゃねぇよ」
千「怯えないで...ね?ただ話したいだけなんだ(笑)」
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「...っ...」
私だって、皆ともっと話してみたい
だけど弱虫だからうまくできないの
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その時、包まれていた右手が
ぎゅっと強く握られて
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驚いて彼を見上げると
優しく微笑みながら、私を見つめていた
“俺がいる”と、目線が語っているから
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大丈夫、何だかそんな風に思えて
「...今までごめんね、私...っ...」
歯車が動き出す3秒前
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り ょ う な な *(プロフ) - また宇野ちゃんのセリフ「読んでくる」になってます! (2018年3月15日 18時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
Raichi(プロフ) - すごく世界観に引き込まれます!これからも楽しみにしてます!本当に大好きな小説です! (2018年3月13日 22時) (レス) id: 4945e2470c (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - No way backも大好きですがこの作品も同じくらい大好きです(*^^*)更新いつも楽しみにしているのでこれからも頑張って下さい!! (2018年3月13日 20時) (レス) id: 3834e8eb4b (このIDを非表示/違反報告)
り ょ う な な *(プロフ) - ななさん» いえいえ(*´`*) これからも応援してます♪ (2018年2月27日 18時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
り ょ う な な *(プロフ) - 更新頑張ってください(*´`*) (2018年2月27日 18時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2018年1月5日 19時